河合優実、カンヌ受賞の主演作に「モンスターのような作品になれば」 エキセントリックなヒロイン像振り返る
俳優の河合優実が7日、都内で行われた『ナミビアの砂漠』(公開中)の公開記念舞台あいさつに出席。本作で演じたエキセントリックなヒロインの役づくりを振り返った。イベントには共演者の金子大地、寛一郎、本作のメガホンを取った山中瑶子監督も登壇した。 【画像】河合優実、金子大地、寛一郎らと登壇 本作は、何に対しても情熱を持てず行き場のない感情を抱える21歳のカナ(河合)が、自分の居場所を求めてもがくさまを描くストーリー。ドラマ「不適切にもほどがある!」をはじめ映画『あんのこと』、アニメーション映画『ルックバック』(声の出演)など快進撃が続く河合が、いじわるで嘘つきで暴力的なヒロインを演じた。本作は、第77回カンヌ国際映画祭の監督週間に出品され国際映画批評家連盟賞(FIPRESCI賞)を受賞した。
河合は本作で演じたカナについて「キャラクターとしてエキセントリックだし、その面白さを楽しむ映画でもあるけど、同時に見る人が、これは自分の話だと思ってもらえるようにしたかった。だからバランスを取るように演じました」と役へのアプローチを振り返る。
また河合は「新宿や渋谷を歩いていて、絶対すれ違っているし見たことがあるような女の子像。それに加えて面白い生き物というか、暴れるし気分屋で嘘もつく……そんなカナのキャラクターとしての魅力も映画の中に入れ込みたいなって思ったんです」とも話す。
役づくりのために「渋谷や新宿の人たちを見に行くことはあったか」とも問われたが、カナを演じる上でヒントを外に求めることはなかったといい、「カナの要素を集めに行こうとわざわざ街に出ることはなかったです。私と同年代だし、カナの気分屋のエネルギーは、私がこれまで街中でも学校でも感じて来たものばかり。自分の経験からアイデアを集めていたように思います」と振り返った。
河合は「映画自体、決して大規模なわけではなく、撮影期間も長くはなかった。そんな環境の中、いろんな人が意見を出し、山中監督のもとで作り上げていったのがこの作品です。(この数か月の宣伝期間は)それがいろんな人の手に渡っていくことを実感できる期間で楽しかったです」と述べ、「これからいろんな人のもとにこの作品が渡っていくのが楽しみです。みなさんがこの映画で受け取ったエネルギーが広がって、モンスターのような作品(より大きな作品に)になっていくと嬉しいです」と作品の広がりに期待を込めていた。(取材・文:名鹿祥史)