鳥越俊太郎氏が都知事選出馬表明「憲法改正に向かう国の流れを変えたい」
ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)は12日午後、東京都内で会見して都知事選(14日告示、31日投開票)への出馬を表明し、「憲法改正は国の問題だが、東京の問題でもある。流れを少し変える力になれば」などと語った。自身の健康については「がんを経験しているが、がんになる前より元気で健康」と自信を示した。会見には出馬を見送った元経済産業省課長の古賀茂明氏(60)も駆けつけ、鳥越氏と握手を交わす場面もあった。 【中継録画】鳥越俊太郎氏が都知事選への出馬を正式表明
11日夕方に電撃決断「内なる声に導かれて手を挙げた」
鳥越氏は、出馬にあたって「残りの人生、チャンスを与えてもらえたら誠心誠意、東京都のために全力を捧げたい」と意欲を語った。決断したのは11日夕方だといい、「ずっと報道の現場を歩いてきて、自分は常に政治家や役人といったインサイダーではなく、外側からウォッチし続けるアウトサイダーであり続けたいと思ってきたが、最後に一回ぐらい責任を果たして見る気はないのかという内なる声に導かれて手を挙げた」と経緯を説明。「政党から打診を受けたわけではない。自分でやりたいと手を挙げた」と強調した。 「2人の知事が政治とカネの問題で任期を全うできなかった。そのことで都政は大変混乱した。私がもし選んでいただいて任に当たるなら、都民が汗水流して働いた税という意識を十分に心に留めて仕事をしていきたい」と公金を扱う意識を持って仕事に取り組むことを掲げた。 その上で、 ▼東京五輪・パラリンピックに全力を上げ、世界に東京を発信 ▼結婚して子どもを育てられる環境の整備 ▼公共事業による経済活性化ではなく、少子高齢化、待機児童、介護などの対策での経済活性化 などにあたりたいと説明した。選挙公約はできておらず、今後詰めるという。 一方、「あえて」と前置きした上で、「憲法改正ということが射程に入ってきていることが参院選で分かった。これは日本全体の問題だが東京都の問題でもある。国の流れを少し変える、元に戻すようなことを東京都から発信できれば。戦争を知る時代の端くれとして、そのことを申し上げて参院選とは違う結果がでれば大変うれしい」と訴えた。 舛添前知事時代に進められてきた韓国人学校のための都有地貸与問題や、東京五輪の問題など、具体的な都政の課題について聞かれると「出馬を昨日決めたばかりで細かいところは分からず、明確な答えは持ちあわせていない」など明言は避けた。都議会への対応については「都議会は都民の代表。一般市民の気持ちを代表されている方ですから、丁寧に対処していきたい。あまり乱暴なことはしたくない」と是々非々で対応すると話した。