「新技術を使った兵器のリスクを国際社会は正確に理解すべき」…国連の軍縮部門トップ中満氏が広島で警鐘
広島大の創立75周年を記念して、国連の軍縮部門トップを務める中満泉事務次長が、東広島キャンパスで、「未来へ~平和で希望に満ちた世界を創る~」とのテーマで講演した。
広島大は前身の白島学校創立から今年で150年を迎え、2日から「創立75+75周年」と銘打って記念事業を実施。翌日にあった中満氏の講演はその一環で、大学関係者ら約320人が聴講した。
中満氏は人工知能(AI)など科学技術の加速度的な進歩の裏で、それらを活用した軍拡競争が繰り広げられていると指摘。「新技術を使った兵器のリスクを国際社会は正確に理解すべきだ」と強調した。
終盤には被爆者団体の全国組織「日本原水爆被害者団体協議会(被団協)」がノーベル平和賞に選ばれたことに触れ、「被団協や被爆者の皆さんが平和な世界を創るために努力してきたように、私たちも行動しないといけない。よりよい未来は今を生きる私たちの手にかかっている」と訴えた。
中満氏は12月にノルウェーで行われる平和賞の授賞式に、被団協代表団の一員として出席する。