阪神の新4番候補マルテは再建の使者となれるのか?データから浮かぶ不安要素
なお、そのスライダーを投げるコースに関しては変化があった。 16年、右投手がマルテに対してスライダーを投げる場合、ストライクからボールになる外角低めが一番多く27.21%。周辺も含めれば55.77%だった(表2参照)。 しかしながらマルテは、外角低めのボールになるスライダーになかなか手を出さない。16年、スイングする率は22.50%だった。18年はその傾向が更に顕著となり13.04%(表3参照)。
ただ昨年は、相手がコーナーというより低め全体にスライダーを投げ分けるようになり、そこを振って空振り、もしくはゴロというパターンが増えた。また、16年に比べれば、外角に外れるスライダーに手を出すようになり、そこでも空振りかゴロという結果が多い。ゴロのいくつかはヒットになりうるが、長打にはなりにくい。 こうして見てくると、とにかく警戒が必要なのは、左投手が4シームを投げる場合。角度をつけるのもうまい。対照的に変化球は右、左に関わらず、マルテは打球を上げるのに苦労している。右投手がスライダーを投げる場合、ボールになる外角低めは振らないので、そこにピンポイントで制球出来てもさほど効果はないが、スライダーそのものはおそらく有効。 マルテとしては、日本人投手の変化球の精度を侮ると、適応に時間を要するかもしれない。 (文責・丹羽政善/米国在住スポーツライター)