堺市、保護司面接で公共施設を提供へ…公民館など20か所
堺市は、保護司が刑務所から仮出所した人らと面接する場所として、公民館など約20か所の公共施設を提供する方針を決めた。大津市で5月に起きた保護司殺害事件を受けた安全確保策の一環。法務省によると、自治体が提供する施設の数としては大規模だという。
保護司は、保護観察付き有罪判決を受けた人や刑務所から仮出所した人らと定期的に面接し、生活や仕事の相談に乗っている。大津市の事件では、保護司の男性(60)が自宅で殺害され、担当していた保護観察中の男(35)が殺人容疑で逮捕された。法務省の有識者検討会は9月、面接場所を自宅以外に確保するなどの安全対策を盛り込んだ最終報告書をまとめた。
堺市はこれまで、保護司の面接場所として区役所の一室を提供してきたが、閉庁する夜間や土日は使えず、利用は低調だった。年内をめどに、公民館や一部の図書館も日時を問わず使えるようにするという。
11日午前には、市と市保護司会連絡協議会、大阪刑務所(堺市堺区)など7者が連携協定を結び、保護司活動への支援や仮出所者らの再犯防止に向けた支援体制の構築に取り組むことを確認した。
市保護司会連絡協議会の森田総一会長(73)は「面接は1対1が基本だが、近くに他の人の目もあれば、一定の安全確保につながる。使える施設が増えるのもありがたい」と歓迎した。