クリーンセンター選定やり直しへ 奈良市策定委、年度内審議終了も
奈良市が進める新ごみ処理施設「クリーンセンター」の建設計画で、仲川げん市長は6日、付属機関「クリーンセンター建設計画策定委員会」を開き、候補地選定のやり直しを諮問した。過去にあがった候補地や市が最適地としている同市七条地区のほか、適した場所が見つかれば追加した上で絞り込む方針を決めた。 策定委は12人のメンバーの半分が交代しており、この日は委員長の互選などを実施。委員長に中川幾郎・帝塚山大名誉教授、副委員長に弁護士の田中啓義氏と市民公募委員の安田美紗子氏が就いた。 審議では、中川委員長が現在のごみ処理施設の老朽化が進んでいるとして「議会や市民の理解を得るために進め方から議論をする。だが長い時間はかけられない」と説明。委員からは平成18年の策定委発足から候補地絞り込みに7年を要したことを踏まえ、過去の審議をベースに立地状況や災害発生の可能性なども考慮して選定を進めるなどの意見が上がった。 他の委員からは新斎苑(同市横井町)建設時の令和元年に地元と交わした覚書を順守するべきと意見があがった。市によると、覚書は鹿野園町、東市など一部地域の小学校区に廃棄物処理施設をつくらない旨の内容が盛り込まれている。 策定委終了後、中川委員長は報道陣に「覚書は無視することはできない」との見解を示す一方、候補地選定は「まったくゼロから審議するのではない。科学的、客観的に数値化して候補地を示すことを考えている。できれば年度内に審議を終えたい」と述べた。