日本が人口減少に転じた大きな要因 結婚しない男女はいつ増えた?
総務省が10月発表した平成27年国勢調査確定値で、大正9(1920)年の調査開始以来、初の減少に転じた日本の総人口。人口減少に転じた大きな原因として深刻な少子化が挙げられています。少子化が進行した理由として晩婚化・晩産化のほか、最も注目されているのが結婚しない男女の増加です。 人口維持できない少子化なぜ起きた? 豊かになった日本が抱える4つの理由 平成27年国政調査では、未婚男性は25~29歳72.7%、30~34歳でも半数近い47.1%、未婚の女性は25~29歳61.3%、30~34歳で3人に1人の割合を上回る34.6%という結果が出ました。日本の少子化を示す数値を平成28年版少子化対策白書(内閣府)から見ていきます。
1975年から下降が顕著になった出生率
まずは出生数や出生率の推移です。日本の年間出生数は第1次ベビーブーム期(1947~49年)に約270万人、第2次ベビーブーム期に約210万人(1971~74年)でしたが、1975(昭和50)年に200万人を割り込み、以降毎年減少。1984(同59)年には150万人を下回りました。1991(平成3)年から1998(同10)年には120万人台、翌1999年(同11)年からは110万人台、2005(同17)年からは100万人台で、増加と減少を繰り返しながら、緩やかに減り続けています。2014(平成26)年の出生数は、100万3,539人で、前年より2万6,277人減りました。 合計特殊出生率をみます。第1次ベビーブーム期は4.3を超え、過去最高の出生数(269万6,638人)だった1949(昭和24)年の出生率は4.32に達しました。しかし翌1950(同5)年には3.65にまで急激に低下。1952(同27)年からはついに3.0を割り込みました。その後、第2次ベビーブーム期も含め、出生率はほぼ2.1台あたりで推移しましたが、1975(同50)年に2.0を下回ると、再び低下を続けました。1989(昭和64、平成元)年にはそれまで最低だった丙午(ひのえうま)の1966(昭和41)年を下回る1.57となると、2005(平成17)年には、過去最低1.26を記録しました。その後はわずかに増え続けましたが、2014(同26)年は1.42となり、9年ぶりに前年を下回っています。 では、夫婦間の出生数は変化したのでしょうか。結婚持続期間が15~19年の初婚同士の夫婦を対象にした平均の出生子供数「完結出生児数」の変化をみましょう。1970年代から2002(平成14)年まではおよそ2.2人前後が続きました。しかし2005(同17)年2.09人と減少傾向に入り、2010(同22)年は1.96人となっています。