日本が人口減少に転じた大きな要因 結婚しない男女はいつ増えた?
婚姻率は70年代前半の半分の水準まで減少
このように、夫婦間の完結出生児数もやや減ってきていますが、やはり、出生率減少の大きな要因と考えられているのが未婚化、非婚化の進行です。では、結婚しない男女はいつごろから増えていったのでしょうか。 第1次ベビーブーム世代が結婚適齢期とされる25歳前後の年齢を迎えた1970(昭和45)年から1974(同49)年には、婚姻件数が年間100万組を超え、婚姻率(人口千人当たりの婚姻件数)は、ほぼ10.0を上回っていました。その後は、婚姻件数、婚姻率ともに低下傾向となり、2011(平成23)年以降は、年間60万組台で推移。2014(同26)年は、64万3,749組で、2013(同25)年とともに過去最低となりました。婚姻率も過去最低の5.1で、1970年代前半と比べ、半分の水準となっています。
80年前後から未婚化・晩婚化が進行……現在は男性の5人に1人“生涯”独身
その結果を裏付けるように、25~39歳の未婚率が、男性は1975年ごろから上昇し始め、1980(昭和55)年は、25~29歳の半数を上回る55.2%、30~34歳は21.5%、35~39歳は8.5%だったのに対し、2010(平成22)年は、25~29歳の7割以上(71.8%)、30~34歳が47.3%、35~39歳で35.6%となっています。 一方、女性は1980年の未婚率が25~29歳24.0%、30~34歳9.1%、35~39歳5.5%でした。女性の場合、未婚率の上昇は年代によって異なります。25~29歳の未婚率は男性同様に75年ごろから増加傾向に、30~34歳は85年以降、35~39歳の女性は90年に入ったころから、上昇していきます。その結果、特に25~29歳の未婚女性比率は急増し、2010年には25~29歳が60.3%、30~34歳が34.5%、35~39歳で23.1%となっています。 また、「45~49歳」と「50~54歳」未婚率の平均値から、50歳時で結婚したことがない人の割合を示す「生涯未婚率」の数値は、30年前の1980(昭和55)年、男性は2.6%、女性は4.5%、女性の方がやや上回っていました。その後、女性の生涯未婚率は90年代までは横ばいが続きましたが、男性は急上昇を始め、80年代後半には男性の生涯未婚率が女性の比率を上回ることに。2010年の生涯未婚率は、男性は5人に1人を上回る20.1%に、結婚していない女性は10人に1人の10.6%に達しています(2010年総務省「国勢調査」)。 日本では、1975年ごろから1980年にかけて始まった未婚化・非婚化の進行が、今日の少子化、そして人口減少時代突入へ、大きな影響を与えたといえます。