「オリンピック、ホントに行けるんですか?」山下美夢有、報道陣に何度も聞き返す…全米女子プロ2位で“逆転”パリ濃厚
◇23日 女子ゴルフメジャー第3戦 KPMG全米女子プロ最終日(米ワシントン州、サハリーCC) 【サマミシュ(米ワシントン州)テッド・ムース】山下美夢有(22)=加賀電子=が73と落としたものの、通算4アンダーの2位に入った。古江彩佳(24)=富士通=が通算2オーバーの19位で終えたことにより、24日付の世界ランキングで山下が逆転で日本勢2番手に上がる可能性が高く、初の五輪出場が濃厚になった。渋野日向子(25)=サントリー=と西郷真央(22)=島津製作所=は7位。韓国の梁熙英(ヤン・ヒヨン)が、メジャー初優勝。 ◇ 「オリンピック、ホントに行けるんですか?」。山下は報道陣に何度も聞き返した。大会前の世界ランクは、20~22位に古江、畑岡奈紗、山下の順で並んでいた。畑岡がすでに予選落ちし、最終日に先に古江が19位で終えた時点で、米女子プロゴルフ協会(LPGA)は山下が7位以内に入ればランクを逆転すると試算していた。それを大きく上回る2位になり、山下は「(出られるとなったら)しっかり日本代表として頑張りたい」と、抱負を語った。 メジャーで初めての最終日最終組。厳しいピン位置に、上位選手もなかなかスコアを伸ばせなかった。山下も3番で一時首位と1打差まで詰め寄ったが、8番で80ヤードのショットをミスしたことからダブルボギーに。後半もなかなか取り返すことができなかった。だが、17番パー3でピンの横をすり抜けるショットでギャラリーをわかせ、18番は「ここに打とうと、決めて打った」という2・5メートルのバーディーパットを沈めた。 全米オープンの渋野日向子に続き、またも日本勢がメジャーで2位になった。だが、優勝者に日本人が名前を連ねることが不思議ではなくなった現在、2位は“偉業”とは言われない。山下自身も「優勝シーンを見られて、私自身も上位で闘えるよう、これからも頑張りたいと思った。自分はまだまだ実力不足」と、満足感はなかった。 正式な五輪出場決定は、週明け発表の最新ランクを待たなければならないが、「パリには行ったことがない。楽しみです。東京五輪はテレビで稲見萌寧さんのプレーオフを見ていて、メダルを取れるってすごいことだと思っていた」と、口調は熱い。今後は日本に戻るが、試合には出ずに調整し、7月11日からのメジャー第4戦、エビアン選手権(フランス)に備える。 ◆全米女子プロ選手権の結果を受けて 小林浩美日本女子プロゴルフ協会会長「うれしーい!(拍手)大したもんだし、誇らしいです、すごく。山下さんはもちろん、渋野さんや西郷さんも。こんなふうにメジャーでも結果が出ているのは、日本ツアーでスポンサーの協力、ご支援をいただいて4日間大会を増やしてきた成果でもあると思う。ポイント制などの改定で海外に行きやすい環境もできてきたのではないか。パリ五輪代表は誰になってもメダルを獲れる実力はあると思ってます」
中日スポーツ