死なばもろとも…「もう限界」崖っぷち岸田首相に残された最後の手段に自民党議員青ざめる
内閣支持率が低空飛行を続ける岸田文雄首相が秋の自民党総裁選前の解散総選挙を見送る方向で調整に入ったと報じられている。政治資金パーティーをめぐる裏金問題で逆風を受け、衆院トリプル補選や地方選での敗北が続き、与党議員の大勢は「選挙どころではない」(閣僚経験者)と否定的なためだ。だが、政界事情に通じる経済アナリストの佐藤健太氏は「このまま退陣不可避となるならば、岸田首相がイチかバチか『破れかぶれ解散』を強行する可能性はなお残っている」と見る。
政界においては首相による「解散権」と「公定歩合」に関してはウソをついても構わない
「今は政治改革をはじめ先送りできない課題に専念している。それらにおいて結果を出すこと以外のことは考えていない」。岸田首相は6月4日、今の通常国会での衆院解散の可能性について記者団にこのように語った。政界においては首相による「解散権」と「公定歩合」に関してはウソをついても構わないともいわれる。たしかに足元の政治状況を考えれば現時点で首相が“伝家の宝刀”を抜くとは考え難い。 公明党の山口那津男代表も同日の政府・与党連絡会議後に「地方選で自民党ないし与党の推薦した候補が負け続けている。真摯に受け止めなければならない」と記者団に語り、自民党の「政治とカネ」問題に対する批判が高まる中での衆院解散にクギをさした。自民党の小泉進次郎元環境相も「あの時より怖い」と、自民党が下野した2009年の総選挙時を上回る大逆風にあることへの危機感を強める。
どこかの時点で信を問わなければならない
通常ならば、連立政権を組む公明党の代表が反対し、自民党内でも慎重論が大半となれば解散権は事実上封じられると言って良い。だが、「何をするか分からない人」(岸田氏に近い閣僚経験者)といわれる岸田首相がいまだ解散総選挙による事態打開を狙っているとの見方は完全に消えてはいない。首相に近ければ近い人物ほど「どこかの時点で信を問わなければならない」などと声を潜めるのだ。 朝日新聞は6月4日に「今国会中の解散見送りへ」と大々的に報じ、今の通常国会の会期(6月23日まで)は延長せず、衆院解散を見送る方向で最終調整に入った、と記した。読売新聞も6月5日に「秋の総裁選前の解散・総選挙見送りへ」と報道している。「当面は経済の好循環の実現や信頼回復に集中し、総裁選で再選を果たせば、秋以降の解散を慎重に検討する考えだ」という。
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