「これぞ文学大河!」まひろ覚醒…ドラマ開始から8カ月でついに『源氏物語』が登場でSNS大興奮【光る君へ】
直秀の「おかしきことこそめでたけれ」を思い出す2人
そうして新作執筆を決意したまひろだが、道長がたびたび進捗を確認しに来る姿に、SNSでは「編集道長爆誕」「まひろが作家魂に目覚めた煽りで道長との関係が作家と編集になっててワロス」「しょっちゅう書き手のところへ訪れ、感想を述べる左大臣・道長。編集者ムーブとして解像度が高い」「原稿取りにもくるの?? 担当編集じゃん・・・左大臣、暇なの・・・?」などの言葉が寄せられていた。 人肌のぬくもりと闇の部分がない、つまりあえて「人」というものを完全には描かなかった『枕草子』をアンチテーゼとしたうえで、まひろと道長の友人だった散楽師・直秀(毎熊克哉)の「おかしきことこそめでたけれ」という創作の真髄を突く言葉を、2人で月を見ながら思い出す。そうしたまひろの経験の蓄積と、人一倍優れた知性と感性が融合して、ついに『源氏物語』が始動。その物語が「降りてきた」瞬間を、言葉が書かれた色とりどりの紙が、文字通りヒラヒラと降りてくるという演出が、SNSでは大盛りあがり。 「まひろちゃんが創造と想像の翼をはためかせたら、色とりどりの言の葉が舞い降りてきた!」「ある日突然、本当に不意に、ふわりと天から色んなものが降ってくる。創作者だけが感じることの出来る言語化出来ない閃きの感覚」「おおおおお・・・降ってきた降ってきた! ってまさかのかなり直接的表現w」「大河ドラマでアイデアが『降りて』くるシーン初めて見た」「これぞ、文学大河!!」などのコメントが相次いでいた。
天皇の一連の行動に、SNS「お上、沼へようこそ」
そうして無事、一条天皇に献上された『源氏物語』だけど、当時物語は「女子どものための低俗な読み物」という扱いをされていたこともあって、インテリの天皇はあまり気が進まなかった様子。しかし誰もいなくなった夜中の宮廷で、こっそりとページを開いて一読し、すぐに閉じるという一連の行動に、天皇の未来予想図を嬉々として語る人が大量発生。 「やべえ作品を読み始めて、一回とじて心を整える一条帝。やべえ作品受容への解像度が高い」「次に頁を開かれる時はきっともう止まらないし、知らなかった頃に後戻りもできない。お上、沼へようこそ」「きっと帝は再びこれを開く。物語とはそういうもの。先が気になる。読まずにはいられなくなる。ましてやそれが愛する者の物語なら」「ちょ帝はやく読んで次それ貸して!」など、天皇の心境を推し量るような言葉がつづられていた。 唯一の読者がまだ足踏み状態という、順調とは言えない滑り出しではあるけれど、無事に1000年続く名作を世に送り出すことができたまひろ。しかしラストで出てきた「物語は生きております」という台詞と、次回サブタイが「誰がために書く」ということをあわせると、早くももっと広い対象を意識することになるようだ。いわゆる「ゾーンに入った」という状態に突入したまひろを止められるものは、もういない? ◇ 『光る君へ』はNHK総合で毎週日曜・夜8時から、NHKBSは夕方6時から、BSP4Kでは昼12時15分からスタート。8月25日放送の第32回「誰がために書く」では、まひろの書いた物語に一条天皇が興味を示し、まひろが彰子の女房として、宮廷に出仕することになるまでを描く。 文/吉永美和子