日本、今世紀初の屈辱 五輪予選28年ぶりに韓国に敗れる 痛恨2位で決勝Tへ 25日準々決勝は開催国カタール戦
◆サッカー男子パリ五輪アジア最終予選兼U―23アジア杯 ▽1次リーグB組最終戦 日本0―1韓国(22日・ドーハ) 【動画】日本の失点シーン この1点がなければ… 【ドーハ(カタール)22日=後藤亮太】8大会連続の五輪出場を目指すB組の日本は、韓国と対戦して0―1で敗れた。既に2連勝で1次リーグ(L)突破を決めていた両チームの一戦で、日本は先発7人を入れ替えた。だが、後半30分にCKから今大会初失点を喫すると、その後は好機を生かせず無得点に終わった。勝ち点6で日本は同組2位となり、25日の準々決勝でA組1位の開催国・カタールと“完全アウェー”の中で対戦することになった。 大岩ジャパンが1本のセットプレーに沈んだ。0―0の後半30分。韓国の右からのCKをGK野沢が触れず、MFキム・ミンウに頭で決められた。五輪のアジア最終予選では、96年アトランタ大会の決勝以来、28年ぶりとなる韓国戦敗北。試合直後、大岩剛監督(51)は「勝ちたかったけど、次の試合(準々決勝)もあるので切り替えたい。決勝トーナメント(T)に入ってまた厳しい戦いが始まるので、準備したい」と感情を表情には出さず、淡々と言葉を絞り出した。 ともに2連勝で1位通過を懸けた日韓戦は、静かな立ち上がりだった。日本は第2戦のUAE戦(2〇0)から先発7人を変更し、GK野沢、胃腸炎で出遅れていたDF半田やMF田中が今大会初出場初先発。さらに1トップは昨年の杭州・アジア大会決勝、3月の大学日韓定期戦で得点を挙げた“韓国キラー”のFW内野航が抜てきされ、1次LでGK山田大以外の22人がピッチに立った。 韓国は主将のDFビョン・ジュンスが出場停止、ソ・ミュンガンが負傷で2人のセンターバックを欠いていた。従来の4バックから3バックに変更。時に5バック気味に構えた堅い守備ブロックの前に、日本の攻撃は停滞した。前からの積極的なプレスも少なく、前半はシュート3本(枠内0)に終わった。後半18分にはMF松木、藤田、佐藤を投入して攻撃のスイッチを入れようとしたが、セットプレーから一瞬の隙を突かれて今大会初失点を喫した。その後は今大会無得点の“悩めるエース”FW細谷も投入。後半アディショナルタイムは9分あった。だが、佐藤のヘディングシュートはポストに嫌われ、最後まで韓国のゴールをこじ開けることができなかった。 1次L3試合で3得点を挙げたが、すべてMF、DFがマークし、FW陣は不発が続く。FW荒木は「ゴール前の決定力、それだけだと思います」と悔しさを押し殺した。次は開催国・カタールとの対戦となり、厳しい“完全アウェー”が予想される。パリへの道を途絶えさせるわけにはいかない。この悔しさを、8大会連続五輪出場に向けた一発勝負の戦いに生かすしかない。
報知新聞社