大後寿々花、学業と仕事を両立させ慶應大を4年で卒業。高校時代から「大学には絶対に行くと決めていた」
下関ロケで“存在感の薄い女”に
2024年6月29日(土)に公開される映画『幽霊はわがままな夢を見る』に出演。主人公は、女優になる夢に破れ東京から故郷・下関に戻ってきた富澤ユリ(深町友里恵)。仕方なく、父・昌治(加藤雅也)が経営するFMラジオを手伝うことになるが倒産寸前。さらにユリに不気味な青年(西尾聖玄)と元同級生・菊池美穂=お菊(大後寿々花)がつきまとうように…。 ――いつ頃撮影されたのですか。 「一昨年の冬だったと思います。山口県でロケだったのですが、私は下関に行くのは初めてだったんです。空が広くて、自然がいっぱい残っていてとても楽しかったです」 ――大後さんは、ちょっと影が薄いミステリアスな役柄でしたね。 「そうですね。今まで出会ったことがないタイプの役でした。最初に監督さんが『幽霊っぽさは欲しい』とおっしゃっていて。『もしかして“お菊”は幽霊なんじゃないか?という感じがするように』とおっしゃっていました」 ――学生時代、お菊はユリにいじめられていて、それが原因で自殺してしまったのかなと思いました。 「そう思いますよね。スーッと現れて影が薄くて(笑)。衣装も白くてフラーッという感じだったので。お菊は本当に人間なのか、本当は存在していないのか、と疑いたくなるシーンがいくつかあっておもしろかったです」 ――大後さんは子役時代から、いじめられたり、いたぶられたり…という設定の役柄が結構多いですね。 「そうですね。よくいろいろな人から『かわいそう』って言われることが多いんですけど、今回は結構仕返しというか、言い返していたのでおもしろかったです。いじめたユリは覚えていなくても、いじめられたほうはガッツリ根に持っているタイプの女の子で忘れない。本当にいじめられたほうは忘れないんだなあって」 ――今回は声も変えていましたね。 「はい。ちょっと低めにして、ボソボソという感じのしゃべり方にしました」 ――ラジオのスタジオのマイクの前で話しているシーンは、ヘアスタイルとメイクの雰囲気も全然違っていましたね。 「ラジオドラマのシーンですね。髪型に関してはいろいろ話し合いました。髪を片方だけ耳にかけるか、かけないか、両耳にするか…とか。全然違って見えたなら良かった。皆さんのおかげです。私は現場に行って、用意していただいたお衣装を着て、メイクさんにヘアメイクしていただいて現場に入るだけなので、本当に皆さんと作るという感じのほうが強いと思います」 ――下関では撮影の合間はどのように過ごされていたのですか? 「撮影の合間は、地元の方に聞いてラーメンを食べに行ったり、市場の近くでの撮影があったので、市場を覗きに行ったりしていました。 (主演の)深町さんが下関出身の方だったのでいろいろ教えていただきました。私はずっとホテルに滞在だったんですけど、ホテルからここに行ったらショッピングモールが…とか教えていただきました。 あと、下関の駅と、それこそ市場で撮影が終わったあととかは、どの方面に行ったらご飯屋さんがあるかとか、どの方面に行ったら神社があって…とかも教えていただいて行っていました」 ――今後はどのように? 「私は映像が好きなので、これからも映像をやっていきたいです」 ――ジャンルとしては何かありますか。 「最近はお母さんの役も何度かやらせていただいていておもしろいです。考えてみれば、結婚して出産してお母さんになっている友だちもいるので、私も同じように年を重ねているんですけど、自分の中ではその感覚があまりなかったので、『うわーっ、私小学生の子どもがいるお母さん役をやっている』みたいな。 だから、何か自分の想像を超えた年齢の役だったりとか、そういう役柄設定だったりとかもあったりするのかなって。自分で計画を立てるというよりは、予想外のところから自分の役の幅をあらためて知ることになったりするので、出会いを楽しみたいと思います。お母さんになったかと思えば、逆に制服を着たときもあったりとか…いつまでイケるかなって(笑)」 茶目っ気タップリの笑顔に子役時代の姿が重なる。子ども時代からの成長の軌跡が作品として残っている。演じる役柄の幅も広がり、今後のチャレンジも楽しみ。(津島令子) ヘアメイク:木戸かほり