またも激震、「ポイント禁止」でふるさと納税はどうなる?
総務省がふるさと納税のポータルサイトについて、ポイントを付与するサイトを通じた寄付の募集を禁止すると発表しました(写真:kash* / PIXTA)
年々市場が拡大し、多くの人に普及した「ふるさと納税」。各自治体の特産品を返礼品としてもらえることで人気化しましたが、税金を納める自治体や、その使い道を個人が選ぶことができる制度でもあります。本連載では、ふるさと納税ポータルサイト大手「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンクで長年自治体職員と付き合い、ふるさと納税市場の変化を間近で見てきた宗形深さんに、最前線の注目情報を教えてもらいます。6月25日、総務省が昨年に続いてふるさと納税の基準を見直し、告示改正を発表した。 大きな話題になったのが、ポイント付与の禁止だ。主に寄付募集を仲介するポータルサイトが寄付に伴って付与しているポイントの競争が過熱していることを受けて、2025年10月から、ポイントを付与するサイトを通じた寄付の募集を禁止すると発表したのだ。 現在、ふるさと納税のポータルサイトは30を超える企業が参画し、サイトの寄付者を募る誘因施策としてポイントキャンペーンを積極的に展開している。ユーザーにとってもポイント付与は当たり前で、ポイントをきっかけにふるさと納税を始めた人も多いだろう。 SNS上でも、ポイントの是非だけでなく、ふるさと納税の制度そのもののあり方まで賛否の議論が沸き上がった。 当社では、寄付に対するポイント還元はふるさと納税を始めるきっかけとして有効だと考えている。しかし、ポイントを軸にふるさと納税を促すことは、寄付や納税への意識を希薄化させ、制度そのものの趣旨を損なう可能性がある。ルール変更はやむを得ない。 ふるさと納税制度を通じて、寄付者がその地域に思いを巡らせることで、地域の活性化や関係・交流人口の増加につながる事例を多く目にしている。この制度は持続させてこそ価値があると考えているからだ。
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宗形深