「大工は男性の仕事」にNO! 大学中退、19歳で見習いになったオーストラリア人女性の挑戦「女性は何でもできる」
パイロットは男性の仕事、保育士は女性の仕事……そんな時代遅れなステレオタイプを打ち破り、ジェンダーにしばられない自由な働き方を選ぶ人が増えている。オーストラリア・メルボルン出身の25歳、バーディ・サマービルもそのひとり。「普通に大学を卒業して、普通に就職すると思っていた」という彼女は、父親からの誘いをきっかけに大学を中退。19歳で見習いとして大工の世界に飛び込んだ。
男性ばかりの作業現場に初めて足を踏み入れたとき、バーディは「正直なところ震えがとまらなかった」とのこと。「女の子なのに大工?とたくさんの人に言われた」と当時を振り返りつつも、「大工こそ自分のやりたい仕事だとわかっていた」「後悔したことはないし、人生で最高の決断だったと思う」と話す。これまでに電気、配管、コンクリート、レンガなど、さまざまな分野の工事を経験した。
ジェンダーギャップの大きい仕事柄、好奇の目に晒されたり、服装や体についてセクハラ発言を受けたりすることもあったという。そんなときは「チームに助けられた」とバーディ。「ありがたいことに、今一緒に働いている同僚や部下はみんなすばらしいし、誰に対してもそうであるように私を尊重してくれる」「最近では職場で嫌な思いをすることがほとんどなくなった」と語る。
バーディは「大工に興味をもつ若い女性を増やしたい」という。「創造的で、分析的で、夢中になることができる仕事。何もないところから何かが生まれ、問題が解決される様子を見るのはとてもやりがいがある」。バーディと仕事をしたことをきっかけに、女性の大工を採用した企業も多いのだとか。「自分にできないことは何もないと、すべての女性に知ってほしい! この業界の未来と、私たちと一緒に旅をしてくれるみんなにとても期待している」。