浦和学院を24年間支えた指揮官が城西大城西へ 伝え続ける強者に必要なメンタル
真剣勝負との関わりに触れながら、切り替えることの大切さを訴える安保監督。真剣勝負と切り替えは、セットで大切な要素だということだろうが、そこに付随するピースが考えることだという。 「選手は機械にならずに、考えてプレーして欲しいんですよね。勝ちたいから、『じゃあ今後どうするの』って考えて反省するし、グラウンドでプレーをする。そうやって感情を持つから、グラウンドでプレーしていて気付くことがあるはずです。 そうやっていくと、次第に自立心が芽生えることにもつながると思っています。だから、自分の意思を持つことは、選手たちにやってほしいです」
切磋琢磨し合って、夏の上位を狙う
こうした意識を根付かせるのは、時間がかかることだが、「森監督にも『とにかく根気強くだよ』と選手たちを変えようと、伝え続けることを教わりました」と名将から学んだことを胸に、安保監督は日々選手たちと向き合っている。 これには主将・両角も、「たとえ試合で良い雰囲気が出来ていても、流れに乗るのではなく、切り替えてプレーしていくことを指導してもらっています」と話す。 そんな城西大城西だが、このオフシーズンは攻守ともに練習量をこなしてチーム全体のレベルアップを図ってきた。 その成果もあり、春季東京都大会では、2回戦・淑徳、3回戦・東京実と順調に勝ち上がった。夏の大会のシードを獲得し、さらなる上位進出を目指した矢先。4回戦で國學院久我山に5対12で敗れた。 この敗戦には「ピッチャーがリズムを作れず、打線も援護できなかったので、夏に向けてもう少し上げていかないと勝てない」と両角主将のなかでも強豪との差を痛感していた。
とはいえ、夏の大会はシードで迎える。前回は東東京大会でベスト4で終わり、悔しさを残した。その借りを返す戦いになる。安保監督は、「去年の夏、ベスト4の経験ができたのは大きな財産だと思います。良い刺激になりました。だからまだ覚悟みたいなものはないですが、去年も春季大会で東海大菅生に負けて変わってきたので、今年も國學院久我山の敗戦をきっかけに、もっと変わってくれることを楽しみにしながら戦いたいと思います」 両角主将は「仲間同士で競い合って、夏の大会まで全体のレベルを上げていきたいです」と夏に向けて士気を高めている。東東京でも上位進出することが増えはじめ、強豪の仲間入りまであと一歩といったところまできた。この夏、再び躍進を見せて東東京の勢力図を変えるか。城西大城西の見せる野球に注目したい。