生成AI統合で新アレクサ誕生か 会話の文脈を読み取りタスクを実行へ
Anthropicへの大型投資で、次世代基盤モデルへのアクセス確保したいアマゾン
OpenAIやグーグルなどジェネレーティブAI分野で先行するプレイヤーがアマゾンの牙城であるスマートスピーカー市場に参入する可能性が高まる中、アマゾンは大規模言語モデルへの投資を一層拡大している。 2023年9月末の報道によると、アマゾンは、ジェネレーティブAIスタートアップAnthropicに最大で40億ドルを投資することに合意した。この合意で、アマゾンはまず12億5000万ドルを投じ、Anthropicの少数株式を取得するという。 一方、Anthropicは、安全性研究や基盤モデルの開発などミッションクリティカルなタスクにおいて、アマゾンのクラウドサービスAWSを使用する。また基盤モデルの構築・トレーニング・デプロイメントにおいて、AWS TrainiumおよびInferentiaチップを使用する計画だ。 元OpenAIの研究幹部らが立ち上げたAnthropicは、ジェネレーティブAIスタートアップの中でも、OpenAIの主力対抗馬として特に注目を集める存在となっている。 Techcrunchは2023年4月、Anthropicが次世代基盤モデル「Claude-Next」の開発に向け、今後2年間で50億ドルの調達を計画していると報じていた。Claude-Nextは、現時点で最も強力なAIの10倍の能力を持つモデルといわれている。 マイクロソフトがOpenAIに多額の出資を行い、OpenAIのAIモデルへの優先的なアクセスを得たように、アマゾンはAnthropicへの投資を通じて、強力なAIモデルへのアクセスを確保したい考えのようだ。
文:細谷元(Livit)