阪神新助っ人、ヘルナンデス合意 競争激化の劇薬に期待
阪神が新外国人としてラモン・ヘルナンデス内野手(28)と単年で契約合意したことが25日、分かった。同日、西宮市内の球団事務所で取材に応じた嶌村聡球団本部長(57)が明かした。今季メキシカンリーグで22本塁打をマークした長打力と、内外野を守れる点が強みだ。レギュラー定着を目指す前川右京外野手(21)らと競わせ、競争を激化させる〝劇薬〟となることを期待する。 【写真】球団主催の「クリスマスパーティー」に出席。カモメポーズをとる阪神・前川右京と佐藤輝明 米大リーグで磨いた実力で、若手の壁になってきた過去の助っ人たちとは明らかに立場が異なる。クリスマスに契約合意が明らかになったヘルナンデスは〝挑戦者〟の立場からでもチーム力の強化に貢献できる男だ。嶌村球団本部長が、獲得に至った経緯を説明した。 「日本人選手中心のチームにしてきている。でも、来年を考えた時に外国人打者も必要だと考えたら、やっぱりチームを補完する形(は必要)。競争に打ち勝って試合に出てほしい」 西宮市内の球団施設で取材に応じ、新助っ人砲の獲得成功を明かした。今季まで在籍したノイジーや、2021年にベストナインを獲得したマルテは米大リーグでの出場経験があった。さらに当時のチーム構成で一塁、左翼に主軸を張れるような大砲を置く必要もあり、獲得に至った選手だった。ヘルナンデスについては事情が違う。 「レフトは前川。来年が彼にとって本当に(定位置を)つかむつかまないというところで。そこには井上がいたり、虎視眈々と野口がいたり、井坪がいたり。例えばここにノイジーのようなステータスのちょっと高い選手がいたら、よーいドンでは(ノイジーを)使うようにする。そうじゃない今のチーム編成になってきた」 今季メキシカンリーグ22本塁打のヘルナンデスは主戦場の三塁に加え、一塁、左翼も守れる。だが、タイガースも内野は各ポジションに日本人選手がどっしりと構えている。中堅近本、右翼森下も走攻守で欠かせない。左翼の定位置争いという〝ひと枠〟をよりハイレベルな競争で勝ち取ってほしい。これから繰り広げられるサバイバルに、日本人選手にはないパンチ力を持つヘルナンデスを加え、さらなる戦力の底上げにつなげたい。 「レフト争い、サード争いかもしれんし」と笑みを浮かべた同本部長。「魅力のある選手です。やっぱり刺激にもなる。アメリカじゃ(最高でもマイナーの)2Aまで。彼からしても日本で成功したい思いが強い。メジャー経験がないから」とハングリーさにも期待をかけた。