「これまでは疑問が残っていた」なぜ森保監督は伊東純也を7か月ぶりに代表復帰させたのか?
対照的にスタッド・ランスでは、ジャン=ピエール・カイヨ会長が「私には彼を信じない理由はない」と明言。ヨーロッパで広く浸透している近代法の基本原則「推定無罪」のもとで、伊東はカタールから戻った2月中旬以降も公式戦に出場してきた。すでに開幕している新シーズンでも、伊東は全2試合で先発出場している。 ヨーロッパと日本、そしてクラブチームと代表チームの狭間で異なる立場に立たされてきた伊東にとって、嫌疑不十分による不起訴処分をへて、ようやくスタッド・ランスと同じようにプレーできる環境が整った。森保監督が言う。 「これからまた彼は日本のためにプレーしてくれると思うので、引き続き温かく見守っていただければ幸いです」 9月に開幕するアジア最終予選は来年6月まで計10試合を戦い、日本とオーストラリア、サウジアラビア、バーレーン、中国、インドネシア各代表の6カ国中で上位2位に入れば、2026年に開催される北中米W杯の出場権を自動的に獲得できる。 5日に埼玉スタジアムで行われる中国代表との初戦と、10日に敵地で行われるバーレーン代表との第2戦へ。伊東は9月1日(日本時間2日)のスタッド・レンヌとのリーグアン第3節を戦い終えた後に、熱い思いを抱き続ける代表へ満を持して合流する。 (文責・藤江直人/スポーツライター)