【子育て】2024年12月に前倒し「児童手当」施策の拡充内容は?「子ども・子育て支援金」の負担は?【聞きづらい疑問を解決】
2023年10月28日の政府与党政策懇談会において、児童手当の拡充開始を当初の2025年2月から2ヶ月前倒しし、2024年12月から拡充することが表明されました。 【一覧表でみる】自分の年収なら「子ども・子育て支援金」の負担月額はいくらになる?政府の試算結果を図解 少子化が進む日本において、少子化に歯止めをかけることを期待したいものです。制度の内容としては、子どもがいる世帯にとっては手助けとなりそうです。経済的に助けとなるのは嬉しい限りです。 一方で、こども家庭庁が2024年4月9日に「子ども・子育て支援金」の負担額を年収別に試算した結果を公表。少子化対策の財源として使われる子育て支援金は、加入している医療保険から徴収されることになっています。 子育てをする上で、自分と同じ子育て世帯のお金事情はどうしても気になるもの。今回は制度の中身や子育て世帯のお金事情についても確認していきましょう。 記事の後半では、いま話題の子育て支援金についても触れていきます。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
共働き世帯の割合、平均所得…子育て世帯の「お金事情」
まずは、厚生労働省「2022年 国民生活基礎調査の概況」から現在の状況を確認していきましょう。 ●子育て中の母親、7割以上が「仕事あり」 子育て世帯の平均所得が全世帯の平均よりも高い背景として、考えられる要素は何でしょうか。 世帯によって理由は異なりますが、統計の数字からは「共働き率」が挙げられます。 子育て世帯の共働き率を「児童のいる世帯における母の仕事の状況の年次推移」から確認してみましょう。 上図表から、75.7%の母親が「仕事あり」と回答していることがわかります。 これを共働き率と捉えると、2004年では56.7%、2013年で63.1%、2023年で75.7%と年々増加傾向にあると推測できるでしょう。 では、雇用形態についてはどのようになっているのでしょうか。 同調査内の「末子の年齢階級別にみた母の仕事の状況の年次推移」もあわせて確認してみると、割合的に最も大きく占めるのが「非正規の職員・従業員」でした。 また、「正規の職員・従業員」が上昇傾向をみせており、パートといった非正規で働く人が多い一方で、比較的早い段階から正社員として復職する人も増えていると見受けられます。 ●【年齢階級別】「29歳以下」1世帯あたりの平均所得は? 続いて、子育て世帯の平均年収を確認していきましょう。 同統計の最新年である2021年、18歳未満の児童がいる子育て世帯の平均所得金額は785万円だったとわかります。 これは、全世帯の平均所得金額545万7000円よりも高いものです。 〈「18歳未満の児童がいる世帯」平均所得金額と構成〉 ・総所得:785万円 ・稼働所得:721万7000円(内、雇用者所得:689万7000円) ・公的年金・恩給:24万5000円 ・財産所得:11万6000円 ・年金以外の社会保障給付金:19万1000円(内、児童手当等:15万3000円) ・仕送り・企業年金・個人年金・その他の所得:8万1000円 稼働所得の内訳にある「雇用者所得」とは、世帯員が勤め先から支払いを受けた給料・賃金・賞与の合計金額で、税金や社会保険料を含むものです。 この平均金額は「689万7000円」であることから、子育て世帯の平均的な世帯年収は600万円付近だと推測できます。 一方、同調査で触れられている所得の分布によると世帯年収の中央値は423万円。年収600万円台の世帯年収割合は、7.3%にとどまります。 全世帯の所得ボリュームゾーンが「200~300万円未満」となっていることからも、子育て世帯の平均年収は、比較的収入が多いといえるでしょう。 2023年6月に閣議決定された「こども未来戦略方針」を踏まえ、若年層の人口が急激に減少する2030年代に入るまでに具体的な対策を実施する姿勢を見せる日本政府ですが、一体どこが変更になるのでしょうか。 次の章からは、改めて「児童手当」制度の主な変更点をおさらいしていきましょう。