御神火に幸せ祈る 祐徳稲荷神社で「お火たき神事」 佐賀県鹿島市
300年以上続く祐徳稲荷神社(鹿島市)の「お火たき神事」。8日午後8時前、辺りの照明が一斉に落とされると、参拝客でごった返す境内が静寂に包まれた。本殿でおこした浄火がたいまつに移され、宮司らの手で境内へ。その所作を皆が息をのんで見守った。 青竹を組んだ高さ約7メートルの「お山」に点火。御神火(ごしんか)となった巨大な炎は「バチン、バチン」と竹がはぜる音とともに火勢を増していく。「おおー」というどよめきが起こった後、約15メートルの高さに達した火柱を人々が静かに見上げた。 稲作を見守った神を山へ戻す送り火で、御神火に当たると無病息災に加えて年の内のけがれが清められるという。物価高などに振り回された一年。参拝客は幸せの願いを込め、燃えさかる火柱に手を合わせた。(市原康史)
市原康史