自立の助けを…通常学級に在籍していても抱える「困り感」がある。「子どもの自信につなげてあげたい」。教員の巡回指導が始まった
薩摩川内市の入来小には、市内だが片道40分はかかる亀山小から、池水晃教諭(39)が週に1度来校。3年生2人が、板書や行動の切り替えなど、苦手を克服するための授業を受ける。 川邊浩幸校長(59)は「送迎できない保護者もおり、事業のおかげで通級が受けられると喜ばれた」と感謝する。池水教諭も「普段の学校での様子を見られて授業に生かせる」と語る。 モデル事業は、3年かけて運営システムづくりや改善を重ね、すべての市町村での導入を目指している。 ◇通級指導教室とは 小中高校で、通常の学級に在籍している児童生徒に対し、大部分の教科の指導は通常学級で行いつつ、障害に応じた特別の指導を行う場。「注意欠陥多動性障害(ADHD)」や「学習障害(LD)」などの軽度の障害の子どもが対象となる。「言語障害」「LD・ADHD」「自閉症・情緒障害」「難聴」と障害の種別でクラスが分かれる。鹿児島県内の公立小中学校と義務教育学校では2024年度、通級担当教員は115人(小学101人、中学14人)。女性が68.7%を占める。年齢構成は50代が49.6%と最も多い。
南日本新聞 | 鹿児島
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