加賀藩の縁で誘客推進 観光客3割増、200万人達成へ 黒部市、24年度から新計画
黒部市は21日、今年度から3年間の新たな観光振興計画を発表した。計画最終年となる2026年度の目標入り込み客数200万人(22年比3割増)の達成に向け、加賀藩の縁を生かした金沢市との連携強化や黒部宇奈月キャニオンルート開放を起爆剤とした誘客推進を盛り込んだ。武隈義一市長は会見で「恵まれた自然に加え、伝統・歴史文化資源を有機的に結び付け、オール黒部で盛り上げたい」と意欲を示した。 具体的事業では観光資源の磨き上げで、高岡生まれ、金沢育ちの世界的化学者・高峰譲吉博士が構想した黒部川での電源開発の歴史PR、宇奈月セレネ美術館の夜間営業など文化観光推進を盛り込んだ。 広域化では、セレネ美術館と金沢21世紀美術館の交流など文化芸術分野での金沢市との連携、金沢百万石まつりなどでの黒部観光アピール、高峰博士ら加賀藩のつながりを生かしたプロモーション活動を挙げた。 施策の展開方針には▽市全体が恩恵を受ける観光▽人に会うための観光強化▽キャニオンルートを起爆剤に▽地域観光資源の磨き上げとPR▽市民の受け入れ態勢構築▽広域で何度でも訪れたい黒部―の6項目を掲げた。 前計画は2017~22年度の6年にわたる長期計画だったが、環境変化の激しさから今回は3年計画とした。北陸新幹線敦賀延伸、キャニオンルート一般開放を追い風に地域全体が恩恵を受けられるよう広域滞在型観光を促進する。 武隈市長は「山、川、丘、海の自然、文化・スポーツなどの有力コンテンツをつなげ、黒部、新川で2泊、3泊と連泊する体制を築きたい」と述べた。