ハミルトン車のパワーユニットトラブルの原因究明に取り組むメルセデスF1。W15のパフォーマンス改善も続ける
メルセデスは2024年型マシン『W15』のパフォーマンスの改善に取り組んでいるが、その一方で現在もF1第3戦オーストラリアGPで起きたルイス・ハミルトンのエンジントラブルの原因を探っている最中だ。 【写真】2024年F1第3戦オーストラリアGP ルイス・ハミルトン(メルセデス) オーストラリアGPの決勝レースで、ハミルトンは、パワーユニットの問題によりレース開始からわずか17周でリタイアを余儀なくされた。その後、残念ながらチームメイトのジョージ・ラッセルによる終盤のクラッシュがハミルトンの不運に重なった。メルセデスのダブルリタイアは2018年のオーストリアGP以来のことだった。 これまでのところ、ハミルトンのエンジントラブルの原因は謎のままだ。 故障したパワーユニットは、ブリックスワースにあるメルセデスのエンジン部門にまだ戻っていなかったが、ここで適切な分析が行われることになる。YouTubeで公開されたメルセデスのレース後の報告動画で、テクニカルディレクターのジェームズ・アリソンは次のように語った。 「わかっているのは、油圧が急激に低下し、エンジンが保護のために停止したときの症状だけだ。そのような壊滅的な損失を被ったとわかっている場合、将来のためにできる最善のことは、その場ですぐにそれを止めることだ。そうすれば、溶融金属の量が増えることはない」 「通常、原因についてはかなり明確な証拠のつながりがあり、それによって今後に向けてよりよい対応ができる。まだ(原因は)わかっていないが、ブリックスワースとHPP(メルセデス・ハイパフォーマンス・パワートレインズ)はすぐに取り組む。我々が理解したらすぐに、彼らは作業を始め、他のエンジンで発生し得るあらゆるリスクをできる限り軽減しようとするだろう」 こうした停滞にもかかわらず、メルセデスは信頼性に関する懸念を最小限に抑えながら、W15のパフォーマンスの向上に注力し続けている。 「ありがたいことに、DNFは我々にとって珍しいことだ。全体的に信頼性は強みだ」 「あのようにダブルリタイアになるのは珍しいことだ。そんなことが我々のシーズンに起きるとは、確かに予想していなかった。我々がより重視しているのはペースだ。ペースをまとめ上げれば、何が起きてもシーズンは大丈夫になるからだ。マシンのベースラインとなる信頼性、それに対する我々の手順によるアプローチ、そしてドライバーのスキルは、DNFを避ける役に立つ。他の基盤がきちんと整っていることは分かっているので、我々の焦点のすべてはペースに置かれている」 [オートスポーツweb 2024年04月04日]