40代後半の「おひとりさま」です。今から老後資金を作れますか?
Aさんは40代後半の会社員です。結婚はしておらず、いわゆる“おひとさま”のため、これまで貯金をしてこなかったのですが、だんだんと老後が心配になり、老後資金を作ることを決意したそうです。おひとりさまの老後は、家計面・生活面でどのようなことに注意すべきか、今からできる資産形成の方法はなにか、ご本記事で紹介します。
3つのステップで老後資金
総務省統計局が公表している「2020(令和2)年 国勢調査 調査の結果 人口等基本集計」の調査結果によると、40代後半の男性の未婚は29.9%、女性の未婚は19.2%です(表III-2 配偶関係,年齢(5歳階級),男女別15歳以上人口(2020年))。 また、厚生労働白書では、前段の調査結果から、どの年齢階級でも未婚割合は長期的に上昇しているとされ、結婚意思を持たない若者の割合は男女とも増加傾向にあるといわれています。未婚者が考える独身生活の最大の利点は、「行動や生き方が自由」な点であると、男女問わず最多となっています。 このように、おひとりさまが増加しているなか、Aさんを例に3つのステップの老後資金をご紹介します。
ステップ1:厚生年金保険に長く加入し、スキルアップする
老後の生活収入源は公的年金という人が多数を占めていることから、会社員のAさんは、スキルアップしながら、給与を増やすことで、老齢厚生年金を増やすことができます。厚生年金保険の等級に上限がありますが、年金額の計算は、給与や賞与の額と加入期間であるため、給与がアップすれば確実な老後資金となります。 厚生年金保険の加入月数、昇給の有無で、高齢期に受け取る老齢厚生年金は下記のように変化します(老齢基礎年金は含まず)。 <ケース1> 着実にスキルアップし、加入月数を480月、平均給与(平均標準報酬額)を50万円にする 50万円×5.481/1000×480月=131万5440円 <ケース2> スキルアップし、加入月数は300月、平均給与が40万円になったところで、独立する(独立後は国民年金に加入) 40万円×5.481/1000×300月=65万7720円 <ケース3> 転職を繰り返し、加入月数は300月、平均給与は30万円、給与はあまり変化していない(転職する間は国民年金に加入) 30万円×5.481/1000×300月=49万3290円