「ジャイキリ」の静岡ブルーレヴズが3年連続でアイスタにやって来た!
高校・大学とラグビーに打ち込んだ兄に言わせると、これほど「番狂わせ」のない球技はないらしい。フィジカルコンタクトが試合のほとんどを占めるため、実力差のあるチームが戦うと、強い方が勝つ。サッカーの天皇杯のような「ジャイアントキリング」はめったに起こらないという。 その説からすると、静岡ブルーレヴズ(旧ヤマハ発動機)は珍しいチームかもしれない。リーグワン初年度、2年度とも12チーム中8位。今季もプレーオフ進出(4位以内)に届かなかった。だが昨季はリーグ戦で開幕から14連勝中だった埼玉を破った。今季も12月の東京ベイ戦で逆転サヨナラ勝ち。予想外の試合を突然やってのける。 4月13日に静岡市のIAIスタジアム日本平(アイスタ)で行われた東京ベイ戦も、前半は7―31とリードされながら後半に猛攻。31―31で引き分けた。「後半に勝負」という藤井雄一郎監督の戦略が当たった。家族を連れて観戦に来ていた友人(静岡市在住)は「ラグビーを会場で見たのは初めてだけど、テレビとは迫力が全然違う。おもしろかった」と満足していた。 年に一度のアイスタ開催。観衆も埼玉を迎え撃った1年目は3784人、昨年は2504人だったが、今年は6423人と大幅に増えている。この友人も「磐田市のヤマハスタジアムは遠いけど、アイスタなら、また見に来たい」と話していた。県西部から飛び出して試合を開催するクラブの戦略も、ファン開拓という意味で成功したようだ。 5日はホームでリーグ最終戦。相手は日本代表のリーチマイケル選手が主将を務めるBL東京(現在2位)。「大物食い」の本領を発揮して、県内のラグビーファンがさらに増えるような試合を見せてほしい。 (静岡支局・里見 祐司)
報知新聞社