【アイスホッケー】五輪最終予選、日本0勝3敗。④佐藤優(ディナモ・アルタイ)
「22歳。でも、もう若手じゃない。 キャリアの中で一番、重要だと思う」
埼玉ジュニアウォリアーズの1つ上の先輩、FW磯谷奏汰(栃木日光アイスバックス)も五輪最終予選に選ばれていたが、直前合宿で「13番目のFW」と評価されて、メンバーからは外された。 「五輪予選で奏汰はいつも声をかけてくれたし、僕のことを助けてくれた。本人は相当、悔しい思いをしたと思います。でも、さすがは奏汰です。アジアリーグに入って、プレーにも気合が入っている(11月24日現在、16試合で8ゴール15アシスト)。弟の建汰(WHLワナッチー)も毎年ギアを上げてくるし、磯谷兄弟のことは意識しています」 佐藤は、日本代表の中では最年少の22歳。それでも危機感を持って、今シーズンに向かっているという。 「22歳といいますが、世界のホッケーではもう若手じゃないんです。キャリアの中でも一番、重要な時だと思います」 「まずは、VHLの上位に食い込みたい。そして個人的には、KHLにまたコールアップされることを目標にしています」 アルタイでは「街を歩いていても、よく声をかけられるんです。熱い国ですよ。見られているというのを感じます」という。 試合でも、そして街を歩いている時でさえも、佐藤はロシアで「戦い」をしている。「すいません。これから練習なんで」。日曜日の夕方、吹雪の中で佐藤は言った。 佐藤優 さとう・ゆう ディナモ・アルタイ、FW。2002年4月17日生まれ。177センチ、77キロ。埼玉県さいたま市出身。埼玉ジュニアウォリアーズで3歳からアイスホッケーを始め、小学5年でロシアへ。クリリヤ・ソビエトフのジュニアチームなどでプレーした後、バンター(フィンランド)、QMJHLケベック、USHLリンカーンを経て2022-2023シーズンはKHLのトルペードで活躍する。翌シーズンはトルペードのほか、VHLトゥーラ、ペンザでプレーし、今季は8月にグラスゴー・クラン(イギリス)と契約。前年度ロシアのクラブに在籍していた選手はプレーできないことがわかり、9月にあらためてVHLのディナモ・アルタイ(ロシア)に移籍した。今春の世界選手権と、夏の五輪最終予選で日本代表。「アルタイの背番号は88です。グラスゴーで8番をつける予定だったんですが、仲のいい寺尾勇利さん(栃木日光アイスバックス)の番号という意味もあります」
山口真一