71歳・関根勤さん流「人生は楽しい」を伝える子育て術。娘・麻里さんは「毎日狂ったように笑わせた」
今年で芸能生活50周年を迎え、お茶の間に欠かせない存在となった関根勤さん(71歳)。71歳になった現在も、一人娘であるタレント・関根麻里さんとともに活躍されています。 ここでは、『関根勤の嫌われない法則』(扶桑社刊)より、関根勤さんの子育て論を一部抜粋してご紹介します。
子どもが強く育つため、幼少期に「笑い」を与える
僕自身の経験からしても、幼少期の影響はとてつもなく大きいと感じます。 子どもの頃の僕はいつも笑っていたし、友だちも笑っていたので、プロになっても「笑ってもらう」ことがすごくうれしくて、がんばることができたのだと思います。 自分の子どもも、そんな楽しい環境でまっすぐ育ってほしい。そして、周囲を明るくできる人間になってほしい。そう思った僕は、麻里が生まれる前に、当時流行していたアメリカ発のものから日本のものまで、子育てや幼児教育の本をたくさん読んだものです。 その中に「父親は娘のためになにができるのか」というタイトルの本がありました。 子どもに「辛い」と言われたら、まずは「そうだよね」と共感する。 その上で「でもそれは、これから起こるであろう退屈なことへの準備なのだ」と伝える。この文章にはとくにピン! ときましたね。
勉強は大事だけれど、もっと大事なことがある
僕は、麻里が「授業がつまらない」と言い出したとき、まずは「わかる!」と共感したのです。しかもその共感は、学生の頃に勉強が嫌いだった自分自身の実体験から発せられているので、かなりの説得力を持っていたと思います。 勉強は大事。でももっと大事なのは、社会の荒波に耐えられる精神を養うこと。 そのためには、子どもの頃にたくさんの会話を重ねて、悩みや疑問に対してきちんと説明してあげなくちゃ。 そしてまっすぐな大人になってもらうためには、たくさんの笑いを提供して楽しい思い出をつくってあげなくちゃ。 僕はそういう信念で、子育てをしてきました。
全力で笑わせ、「不快の輪」を広げない人間に育てる
関根家では、冷静沈着でクールなタイプの妻が、母親として基本的なしつけやマナーなどを麻里に教え、父親の僕は「笑い」を提供するという教育方針でした。 それはもう、毎日狂ったように麻里と一緒に遊んで笑わせていました。 たとえば、学校で友だちとのイザコザがあった。先生となんとなく気まずくなった。でも家に帰ったらお父さんとお母さんがフォローしてくれて、お父さんはいつも寝る前のルーティーンでバカなことをやってくれたから、すごく楽しかった。すると、すべての不快な感情がリセットされて、翌日はまた爽やかに登校できるわけです。 ところが、帰宅しても両親との会話もなく、楽しいこともなく、逆にガミガミ言われてもっと気分が落ち込んだり、イラだったりしたら、翌日までその不快な感情を持ち越してしまいます。そんな状態で、学校に行ってだれかと肩がぶつかったら、「なによあんた!」と言ってしまったり、ごめんと言われても「フン!」という態度をとってしまうかもしれない。すると今度は、その相手が不快になってしまう。そうしてどんどん「不快の輪」が広がっていく。 自分の娘を、その発信源にしたくない、そこで「大丈夫だよ」と笑って返せる子どもになってほしい。そんな思いで僕は毎日、麻里が持ち帰った不快感を笑いですべて吸収し、リセットすることを心がけました。