エヌビディア好決算 売上高・純利益ともに過去最高 「史上最高値」迫る日経平均に影響も
アメリカの半導体大手「エヌビディア」が2023年11月から2024年1月期の決算を発表し、売上高・純利益ともに過去最高を更新した。バブル期につけた史上最高値に迫る日経平均株価にも大きく影響するものとみられる。 【画像】日経平均株価 今後はどうなる?
■AI需要急拡大で好決算
AI向けの半導体を製造する「エヌビディア」は21日、2023年11月から2024年1月期の決算を発表した。 売上高は、前年同期比の約3.7倍にあたる約221億ドル(約3兆3150億円)、純利益は約8.7倍の約123億ドル(約1兆8450億円)でいずれも過去最高だった。 市場予想は、売上高が約204億ドル(約3兆600億円)、純利益は約105億ドル(約1兆5750億円)で、実際の決算はこれを大きく上回った形だ。
■「AIブーム」過熱感に警戒も
エヌビディアは、AI向けの半導体を製造する企業で、ここ最近は日米の株式相場のけん引役となっている。エヌビディアの株価は、ここ1年で3倍以上に高騰していて、時価総額は一時、グーグルの親会社「アルファベット」や「アマゾン・ドット・コム」を抜いて世界4位となる場面もあった。 ただ、株価は、「AIブーム」への期待をすでに織り込みつつあり、市場では、過熱感に警戒する動きも強まっている。決算発表を前に利益を確定する売りが広がり、前の週に一時740ドルまで上昇していた株価は、決算発表前の21日には、一時660ドル台まで下落した。
■日経平均のけん引役「七人の侍」うち4銘柄は半導体関連株
エヌビディアの好業績は、バブル期につけた史上最高値に迫る水準まで上昇している日経平均株価にも大きな影響を与えている。一番の要因は、日本市場の相場上昇をけん引しているのも半導体関連銘柄だという点だ。 ゴールドマン・サックス証券は2月18日、日本の株式市場をけん引する7銘柄を「七人の侍」と名づけて発表した。世界的にも有名な黒澤明監督の映画「七人の侍」になぞらえたもので、米国株を代表するハイテク7銘柄「マグニフィセント・セブン」の日本版にあたる。 「七人の侍」のうち4銘柄は、SCREENホールディングス、アドバンテスト、ディスコ、東京エレクトロンという半導体製造装置メーカーで、日本の半導体関連銘柄への注目の高さがうかがえる。その他は、トヨタ自動車、SUBARU、三菱商事という大手3社が名を連ねた。 岡三証券ニューヨーク駐在員事務所の荻原裕司所長は、「エヌビディアの株価は、AI向け半導体の売上が急拡大していることで大きく上昇してきたが、日本の半導体製造装置メーカーである東京エレクトロンなどにも、その恩恵が広がるとの期待が高まっている。半導体製造装置メーカーは、日経平均の中でも寄与度が高く、日経平均の値動きに大きな影響を与えやすい。年初から株価が大幅に上昇してきたことで、日経平均のけん引役になっている状況だ。今回のエヌビディアの決算を受けて、日経平均が最高値を更新するかどうか注目だ」と話している。