中嶋朋子「息子の『北の国から』出演に大反対」も夫の言葉でハッとして親子で共演
■真面目に考える家族「だから日常は軽口で面白がる」 ──「良い仲間」に育った息子さん。中嶋さんが子育てで大切にしてきたことは? 中嶋さん:私が子どものころ、ドラマ『北の国から』の現場で大人が私をひとりの人間として、仲間として尊重してくれて嬉しかったので、同じように息子にも接してきました。 その子なりの視点も尊重しつつ、彼が迷ったときには「こっちじゃない?」と声をかけてきました。すべて自由だと、子どもにとっては責任が生じるからつらいんですよね。
だから自由と責任のバランスをどうするか、子どもと向き合いながら考えてきました。本当に自由でいいというリアクションが子どもから返ってくると「え、どっちにする?」って逆に私が悩んじゃう(笑)。 子育てをしながら、自分や子どもの心の動きを考え、人間観察してきましたね。それを見ている家族を、また観察してみたり…。 ── 子どもとのやりとりで学ぶことは多いですね。子育ては、演技にも影響を及ぼしましたか? 中嶋さん:はい。もともといろんな方向から役柄をみてきましたが、一辺倒に見ないように、より心がけるようになりました。
ほら、子どもって心も身体も突拍子もない動きをするじゃないですか。演じるときもそのくらい突飛でもいいんだな、と思えるようにもなりました。子育てにも演じることは作用しているし、演じることも子育てに影響していますね。 ── 親子でよく会話するご様子ですが、2020年のエッセイ集『めざめの森をめぐる言葉』では、息子さんと家庭で“名言対決”している様子が紹介されていました。 中嶋さん:しょっちゅうやってますよ。家の中ですれ違いざまに、名言を発するんです。二人とも女優や俳優風のリアクションをとったり、おおげさにやってみたり。
いきなり、ぼそっと「今日は雲が多いね、僕の思考のようだよ…」みたいな、もうおかしくて(笑)。そこで笑っちゃうときもありますし、詩的に返してどっちが笑いをこらえられるか大会になって、クソーって言いながらやっています。 ── ご主人もその対決に参加されるんですか? 中嶋さん:私と息子はわりと似ているのですが、夫はまた別ベクトルで独自の世界があって、なかなか面白いんですよ。そうくるかー、と夫の発言に私と息子がずっこけることもよくあります。