スポーツ界襲う新型コロナもう一つの恐怖…日本ミドル級戦が再延期…挑戦者が「ベストな状態でできない」と延期を申し入れ、知人感染重症化に衝撃受けた王者も心情理解
斎田会長は、このカードは来年に延期、”2冠王”の竹迫が持つOPBF東洋太平洋ミドル級王座の初防衛戦を「新型コロナが落ち着く11月くらいにできれば」とのプランを持つ。ただ、そうなると竹迫は、10か月間、試合ができず、無収入が続く。 竹迫は、「ここまでは、後援者の方からの経済的な支援と、応援をいただいているスーパーが、食材などを届けてくださり生活を助けてもらっています。この先、試合ができない状態が、まだまだ続くと厳しいですが、1年は無理かもしれないくらいの心の準備はしています」と、苦しい実情と、新型コロナに向い合う覚悟を明かした。 JBCとJPBAは、この日の協議会で7月の興行再開に向けて試合出場選手に2度の抗体検査を義務化することを決定した。試合の3週間前、前日と2度の検査を実施、セコンドなど関係者の検査も行いたい意向だという。また「我々が思っていた以上に自治体の要請が厳く、お客さんを入れての開催はまだ早い」(安河内剛JBC事務局長)との判断で、原則、無観客での興行だけを許可する方針を確認した。一両日中にも詳細なガイドラインを発表予定。 その7月には、5日、12日に愛知県刈谷市の刈谷あいおいホール(現在施設からの許可待ち)、16日に後楽園で、清水聡、井上浩樹(いずれも大橋ジム)の東洋&日本のダブルタイトル戦、19日に沖縄、22日に後楽園で日本スーパーフライ級王者、中川健太(三迫)の防衛戦、30日に後楽園で東日本新人王予選の試合が行われる予定が組まれている。 多くのジムが、経営危機に直面していて停滞しているボクシングの7月再始動への期待感は大きいが、その一方で、万全の感染予防対策と並行して、肝心のボクサーの身体と心のコンディションをいかに整えるか、という問題のクリアが重要になってくる。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)