異例の甲子園大声援を受けた阪神・藤浪の“復活怪投“は2軍落ち決定も仕方のないものだったのか?
試合後、矢野監督が「降板したときにタイガースファンの皆さんが大きな拍手を送ってくれた。晋太郎自身感じるものがあったんじゃないかな。それに応える。これからの投球を見せていく(決意を促す)拍手だと思う」と評した感動的な場面だった。 守屋が多彩な変化のあるフォークを駆使して連続三振で残した走者を還さず、その裏には、藤浪が春夏連覇を果たした大阪桐蔭時代に決勝戦で対戦した北條が同点アーチを放ち黒星を消してもらえた。さらに6回にはマルテが勝ち越しタイムリー。夏のロード前の重要な勝利に貢献することができた。藤浪の4回3分の1の粘りのピッチングが勝利を呼び込んだ形になったのである。だが、本人は広報を通じて「試合前のキャッチボールの時から大きな声援をいただいて、マウンドに上がる時も今まで浴びたこともないような声援で盛り立てていただいたのに、そのファンの方々の期待に応えることができず悔しい投球となりました」とコメントした。 結果は1失点。だが、8四死球と荒れて内容は不安定。評価の難しい今季初登板だった。ストレートのマックスは155キロで、平均して153から155キロはあった。だが、この3連戦で、12打数9安打と絶好調の阿部や、堂上らには、全球カット、スライダーで勝負するなど、その内容は変化球主体。なんとかまとめたというものだった。それでも、4安打中、まともなヒットはアルモンテに許した2本だけだった。 評価の難しい今季初登板に対して、矢野監督は「結果、1点だったと思いますし、悪いこと言いだしたら、いろいろあると思う」としながらも2軍落ち決断したことを明言した。 「一旦、抹消はします、次のチャンスは晋太郎自身がつかむものだと思う。僕らもまた投げる姿を見たい。それを晋太郎自身が作って戻ってくるということ」 奮起へのエールを込めての決断だった。 専門家は矢野監督が「悪いことを言い出したらいろいろとあると思う」と指摘した部分と、今後の完全復活の可能性をどう見たのか。 阪神OBの評論家、池田親興さんも「これまでの藤浪と何も変わっていないとも言えるが、ポテンシャルの高さと、なんとかゲームを作ろうという工夫も見えた。結果は1失点。でも内容は厳しい。評価の難しい登板であったことは確か」という見方をした。