レモンウォーターは本当に体にいいの? 栄養士が回答
※この記事は、海外のサイト『delish』で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。 奇跡の魔法薬や健康ドリンクのようなものと宣伝されてきたレモンウォーターには、体重減少や消化改善、美肌効果があると主張する人もいる。とはいえ、レモンウォーターには本当にそれほどの効果があるの? 「ほとんどの人が慢性的な脱水状態にあるので、水分補給を助けることから、レモンウォーターを飲むのはいいことです」と話すのは、登録栄養士のローレン・マナカーさん。たしかに、水分補給は体にいい。けれど当然ながら、普通の水を飲んでも水分補給はできます、と彼女は補足する。 レモンウォーターに関する主張は、レモン自体に含まれる栄養素に関するものが多い。レモンウォーターが肌の健康や免疫力に効果があると言われるのは、ビタミンCの一日の推奨摂取量の約半分がレモン一個に含まれるため。ハーバード大学医学部によると、レモンにはクエン酸も含まれており、腎臓結石の予防や排出を助けるという。
2021年の研究では、パンを食べた後にレモンジュースを約一杯飲んだ実験参加者は、お茶や水を飲んだ参加者よりも血糖値の上昇が少なかったことが分かりました、と話すマナカーさん。さらにこの研究結果から、レモンウォーターが胃液の分泌と排出を促進し、減量効果につながることが示唆されました、と彼女は補足する。 しかし、レモンウォーターの影響に関する研究は、まだあまり多くはない。また、ビタミンCなどの栄養素の多くは、普段の食事の別の部分にも含まれている。レモンウォーターにも特定のメリットや栄養素があるかもしれないけれど、すべてに効く魔法薬ではない。
「水にレモンを加えることで、より多くの水を飲むようになるのであれば、それはたしかにプラスです。ですが、レモンウォーターが苦手な人は、普通の水を十分に飲むことで何らかの恩恵を得られるでしょう」と彼女は語る。 とはいえ、レモンの摂り過ぎは必ずしもいいことばかりではない。酸を多く含むレモンは、歯のエナメル質を侵食するほか、胃の内壁を刺激し、胃酸の逆流や胃食道逆流症(GERD)を悪化させる恐れがあります、と説明するマナカーさん。「節度を保ち、適切な歯の衛生管理をすることで、これらのリスクを軽減し、レモンウォーターのメリットを安全に享受できるでしょう」と彼女は続ける。
translation : Mutsumi Matsunobu cooperation : Yumi Kawamura photo : Getty Images