與真司郎が体験した東京レインボープライド──「自分らしくいられると、人生が本当に楽しくなる」
学校や教育にできること 誰もが生きやすい社会に変わるには、大人の意識を変えることはもちろんだが、ユースの意識を変えることが不可欠。学校という小さな社会においては、ちょっとした偏見は差別につながり、それが生死を分ける場合もあることは、これまで起きた数々の悲しい事件で知られているはず。彼は「僕が小学生のときに、こういう話をしてくれる大人がいてくれて、セクシュアルマイノリティだからといって悪いことではないし、当たり前のこと、といわれていたら人生が変わっていた」という。 「子どもは柔軟な思考を持っているから、その時期に人を偏見で判断してはいけない、ということが理解できたら、これからを生きる人にとってだけでなく、社会全体が変わるはず。ほんと、僕も受けたかったですよ、そういう授業。TRPはそのきっかけになると思っています。僕が今回のTRPに参加を決めたのも、誰かの助けになるならばなんでも手伝いたい、と思ったからです。TRPの会場や新宿二丁目のような場所だけでなく、どこでもストレートの人たちと同じようにカップルが手を繋いで堂々と歩く時代が来るには、時間はちょっとかかると思うけど、日本でそういう時代が来たら、本当にいいなと思うんです。 僕がカミングアウトしたことで、ファンの方の中には“言ってほしくなかった”とかいうリアクションもありましたし、ファンをやめます、という方もいらっしゃいました。でも、今も応援してくれているファンの人だけでなく、一度離れて戻ってきたという人も、僕のことを理解しようとLGBTQ+について勉強してくれたんです。本当にありがたいことですよね。身近に応援してくれる人たちが変わっていく姿を目の当たりにし、とてもありがたいと感謝すると同時に、一人でもそういう人が増えたらいいなって。自分らしくいられる友達、家族、恋人、同僚の人を見つけられたら、人生が本当に楽しくなると思います」 與真司郎 アメリカ・ロザンゼルス在住。 日本とLAを拠点に活動中。日本の男女混合のパフォーマンスグループ、AAA(トリプル・エー)のメンバーとして、 2005年にデビュー。 2016年にはドームツアー開催。ソロアーティストとしても2019年、初のソロライブアリーナ公演を開催。2020年、翌年末を以てアーティスト活動を休止することを発表し、 2021年歌手活動休止前ラストとなる全国アリーナツアーを開催。 2021年から、アパレルのみならず、美容健康食品、雑貨、アクセサリー等、自身のライフスタイルを幅広く表現していくブランド 「446 - DOUBLE FOUR SIX - 」を立ち上げる。2022年『すべての生き方は正解で不正解』(講談社)は、メンタルヘルスに関するベストセラーとなっている。2023年7月、アーティスト活動再開の発表と共に自身がゲイ当事者であることを公表。今年6月からアーティスト活動再開後、初となるライブツアー&トークショー『SHINJIRO ATAE LIVE TOUR & TALK SHOW 2024 – THIS IS WHERE WE BELONG -』を全国4都市で開催予定。 写真・木村辰郎 文・よしひろまさみち 編集・高田景太(GQ)