若返りホルモンが分泌され、前頭葉がメキメキ元気に…和田秀樹が「逃げずに取り組むべき」と説く"健康習慣"
■理想や正しさにこだわるのは、自分に自信がないから 「かくあるべし」という理想、「~でなくてはならない」という「正しさ」にこだわる人は、実は自分に自信がない人なのかもしれません。 「粘り強く理想や正しさを持ち続けているのだから、むしろ自分に自信があるのでは?」と思う人もいるでしょう。 しかし、実際は逆なのです。自分に自信がないからこそ、「これまで信じてきた理想や正しさから逃げてもやっていける」とは考えられないのです。 だからこそ、自分の理想や正しさに固執してしまうともいえるでしょう。 たとえば、東京大学合格をめざして5年も6年も浪人している人がいるとしましょう。浪人を続けること自体は悪いことだとは思いませんが、もし自分に自信があれば、他の大学に行って社会で活躍できるように頑張ろうという選択肢だってあるはずです。 自分に自信がないからこそ、「東大出身」という肩書を手に入れることに固執し続け、東大を受験し続けることから逃げることができないのではないでしょうか。 こうした自分の「正しさ」が通用しないときに大切なのは、「しかたがない」とあきらめることです。あきらめることで、別の豊かな人生が開けてくるということもよくあります。 ■「あきらめずにがんばる」は大間違い 「生きる力」は、生きることでしか身につきません。 自分でつくってしまった「~でなくてはいけない」に固執して逃げることができずに人生を停滞させるより、あきらめて別の人生を生きるのも大切なことです。逃げること、あきらめることで初めて見えてくる景色もあるのです。 あなたは、今までの人生であきらめた願望がいくつありますか。 希望した学校、入りたかった会社、結婚したかった相手、住みたかった家、めざしていた役職、親や子供にしてあげたかったこと……。 大なり小なり、あきらめたことがいくつかあるのではないでしょうか。 「この学校に入るべき」「この会社で働くべき」「こんな相手と結婚すべき」など、「~すべき」を持っていても、それが叶わないことは人生で何度もあるはずです。 つまり、人生とはあきらめの連続なのです。 「あきらめる」というと、悪いイメージを持つ人も多いかもしれません。 「すぐにあきらめてはいけません」 「目標を決めたら、あきらめずに頑張りましょう」 などと、子供の頃から家庭や学校で教わってきた影響もあるのかもしれません。「あきらめる」は、とかく悪いことのように感じられがちですが、私はあきらめることこそが人生を気持ちよく生きるために必要なことだと思っています。 「あきらめる」ことは、自分の失敗を受け入れ、自分を変えるためのファースト・ステップなのです。そして「逃げる」ことは、新しい人生を手っ取り早く実現させるために必要なことなのです。