民進党の蓮舫新代表「対案路線」で時間かけて信頼回復目指す
民進党の新しい代表に選出された蓮舫氏が15日の臨時党大会後、記者会見に臨んだ。蓮舫新代表は「民進党をしっかりと選択してもらえる政党にしていく。私たちには政策も対案もある」と述べ、批判だけではなく対案を掲げて安倍政権と対峙し、失った党への信頼を取り戻していく方針を示した。 【中継録画】民進党新代表の蓮舫氏が臨時党大会後に記者会見
まずは当面、9月26日に召集される秋の臨時国会で政府が提出する補正予算案について「しっかり精査して、同じ財源であればこのお金の使い方でいいのか。選択肢を示せるような国会論戦をできる準備に入る」と語った。 「対案路線」は、今回の代表選にも出馬した前原誠司元外相の代表時代(2005年9月~2006年4月)に掲げられたことがある。議員年金廃止などで一定の成果も上げたが、当時の小泉改革を結果的に後押ししただけとの評価や、与党への批判をより強める立場を取るべきとの小沢一郎氏らの意見もあり、党内の取りまとめに苦慮した経緯がある。 記者からは「憲法改正の議論で与党の意図に乗せられてしまわないのか」「前原代表時代の反省をどう活かすのか」などの質問が出た。 蓮舫氏は、対案路線について「『テーマによる』の一言だと思う。閣内の不祥事や国民が納得出来ないような問題は対案の前に指摘をし、説明責任を求める。これは当然」、改憲議論については「性急すぎる論点整理や国民が関心を持たない中での与党の運営が想定されるのであれば慎重に対応していくべき」と述べた。 野党4党の選挙協力への影響については「安保法制に関しては、憲法に集団的自衛権行使の部分で抵触する。対案は出すが、そことは一線を画するという部分で他の野党と協力してきた経緯ある。そこを大きく振りきっていくということではない」と説明した。 新代表に選出された直後のあいさつでは、自身の掲げる「人への投資」と重ねあわせて、前原氏が代表選で訴えた「オールフォーオールを踏襲させていただきたい」と述べた。そのことについて問われると、前原さんの国家観、応分の負担とそれに見合う行政サービスという考え方は党内の勉強会でも聞いており、違和感はない」と共感を示した。 また玉木氏が提案した「子ども国債」というアイデアについても「財源は行革だけではないんだ」と気付かされたとして、新しく指名する政調会長に「その方向性でまとめていきたいという意思を示そうと思う」と述べた。 ただ民進党を取り巻く環境は厳しい。前原氏や玉木氏が選挙戦の中で「国民からの信頼回復」を強調したように、党の支持率は代表選の最中でも下落するなど伸び悩んでいる。蓮舫氏は「信頼がなければ支持率につながらない。時間をかけて丁寧に信頼される政党にしていきたい。しっかり発信する。批判だけではなく提案もしていく。これを徹底していきたい」と述べ、10月に予定される衆院補選で勝利できる態勢を整えるとした。