米ウィスコンシン州の学校銃撃、動機は「複数の要因」の可能性 警察が発表
米ウィスコンシン州の学校で起きた銃撃事件について、警察は17日、「複数の要因」が犯行動機につながったとみられると発表した。この事件では教師1人と10代の生徒1人が死亡し、6人が負傷した。容疑者の女子生徒の死亡も確認された。 当局によると、容疑者はナタリー・ラプナウという名の同校の女子生徒(15)。 マディソン警察のション・バーンズ本部長は17日、容疑者の犯行動機について、詳細は明らかにしなかった。 銃撃は16日午前11時ごろ、、同州マディソンにあるアバンダント・ライフ・クリスチャン・スクールであった。同校には幼稚園から高校まで、約400人の生徒が通っているとされる。警察などによると、負傷者のうち少なくとも生徒2人が、命に関わるけがを負った。 容疑者は自ら撃ったと思われる銃創を負い、後に死亡が確認された。 捜査当局は、容疑者について知っている人からの情報を提供を求めていると、バーンズ本部長は記者会見で述べた。 「動機の特定が、現時点における我々の最優先事項だ」とし、「現時点では、動機は複合的な要因によるものとみられる」とバーンズ氏は述べた。 「彼女のことを知っている人や、昨日(16日)に至るまでの彼女の心境に心当たりがある人は、マディソン地区犯罪抑止当局に連絡してください」 警察は捜査の一環として、容疑者のソーシャルメディアを調べている。 バーンズ本部長によると、捜査当局はアバンダント・ライフ・クリスチャン・スクールの生徒たちにも話を聞き、いじめが一因だった可能性があるか確認しているという。 ■負傷者の容体は安定 当局などによると、負傷者の容体は16日夜から変化していない。命に関わるけがを負った2人は入院中で、容体は安定している。別の2人は退院した。 死亡した10代の生徒と教師について、当局は名前を明らかにしていない。 マディソンのサティア・ローズコンウェイ市長は、当局は可能な範囲で情報を共有していくと述べた。 記者会見では、市長と記者の間で激しいやり取りがあった。市長は記者の質問に対し、「この事件で誰が被害を受けたのかは、あなた方の誰にも、まったく関係のないことだ」、「どうか、愛する人を失くした人や、自らが負傷した人、子供が負傷した人に対して、人間としての良識と敬意をもってください」と述べた。 警察は当初、通報者は小学2年の児童だとしていた。しかし、実際に通報したのは小学2年生を担当する教師だったと、バーンズ本部長は訂正した。 バーンズ氏は、事件に関する警察記録を読み違えたことが原因だとして謝罪した。 また、地域内の多数の学校が17日朝に、「スワッティング」と呼ばれる、いたずらの脅迫を受けたと明らかにした。これらの学校に対する脅威はないと、警察はみている。 「私たちはコミュニティーとして、自分たちが暴力や暴力行為によって定義されるのを許してはならない」と、バーンズ本部長は述べた。 「私たちはこの街で憎悪や破壊行為が勝利するのを許さない。むしろ私たちは、マディソン流の愛と支援を通じて、生存者と犠牲者をたたえていく」 (英語記事 Motive 'combination of factors' in Wisconsin school shooting)
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