【稽古場レポート】近藤良平率いるカンパニー・グランデが始動!「ゆるやかに出会っていきたい」
彩の国さいたま芸術劇場芸術監督の近藤良平による新しいシアターグループ、カンパニー・グランデのキックオフ記者発表が、本日6月21日に埼玉・彩の国さいたま芸術劇場で行われた。 【画像】カンパニー・グランデ キックオフ記者発表の様子。(他12件) カンパニー・グランデは、年齢や性別、国籍、障がいの有無、プロ・アマなどの垣根を越えて、さまざまな創造性を持った人々が集い、そこから生まれる表現を探求することを目的としたカンパニー。5月1日から6月9日にかけて募集が行われ、応募総数832名の中から、16歳から83歳までの120名が選出された。参加者は2年にわたって、年間全5期のスタジオワークや成果発表(ワーク・イン・プログレス公演)、本公演などに参加する。 本日実施された会見には、近藤のほか、スタジオワークの講師を務める俳優・演出家の今井朋彦、音楽家・美術家の武徹太郎が登壇した。近藤はまず、「3カ月前くらいにカンパニー・グランデという名前にしようと決めました。それまでは“新シアター構想”のようなお堅い名前が付いていたんですけれども(笑)、僕が南米育ちということもあり、“グランデ=大きい”という言葉に親しみがあるので、この名前にしました」とカンパニー名について説明。また、「120名の方々には、5グループに分かれてスタジオワークに参加していただきます。ワークショップという呼び方だと、先生が生徒に教えるというイメージが強い気がしたので、スタジオワークという呼び名にしました。今日、明日、明後日の3日間で行われるスタジオワークを皮切りに、皆さんとゆるやかに出会っていけたらと考えています」と今後の方針を明かした。 近藤はカンパニー・グランデを立ち上げた理由の一つとして、同劇場の元芸術監督である故・蜷川幸雄が2006年に立ち上げた劇団さいたまゴールド・シアターが、2021年に活動を終了したことを挙げ、「さまざまな人たちと一緒に、また新しい形で何かできれば」と考えたという。「カンパニー・グランデには、高校生や高齢者もいれば、障がい者ダンスチーム・ハンドルズの参加者もいますし、実はプロのアーティストもメンバー入りしています。俳優、ダンサー、舞台美術家、クラシック音楽の指揮者、アニメーター、作曲家、映像作家……本当にいろいろな方が参加しているんです」と、近藤はワクワクした表情で話した。 続いて、武と今井があいさつ。武は「良平さんがカンパニー・グランデで何を作るのかすごく楽しみですし、僕も何か一緒に作ることができたらうれしいなと思っています」と述べ、今井は「先日、講師だけで集まる機会があり、そこに行けばカンパニー・グランデでどのような活動が行われるのか、自分がどのように貢献できるのかわかるかなと思っていたんですけど、ほぼ何もわかりませんでした!(笑) でも、それがきっとカンパニー・グランデの魅力なのだろうと思います。今日は我々にとって記念すべき船出の日。僕も船から落ちないようについていきたいです」とユーモアたっぷりに意気込みを語った。 会見後には、近藤によるスタジオワーク「からだ発見アワー」が実施された。参加者たちは会場内を歩き回りながら、視線を交わしたり、微笑み合ったりして、緊張した身体をほぐしていく。その後、近くにいた参加者同士がペアになり、武が奏でる音楽に乗せて、互いの身体に軽く触れて交流を深めた。