2024年の暗号資産の盗難総額は22億ドル=チェイナリシス報告
2024年の暗号資産の盗難総額は22億ドル
ブロックチェーン分析会社チェイナリシス(Chainalysis)が12月19日に公開した報告書によると、2024年に暗号資産プラットフォームのハッキングによって盗まれた資金は、前年から21%増加し22億ドル(約3,455億円)に急増した。 ハッキング被害額は4年連続で10億ドル(約1,570億円)を超え、事件数も2023年の282件から303件に増加したと報告された。2023年のハッカーによる盗難額は18億ドル(約2,826億円)だった。 暗号資産盗難の増加は、ビットコインが今年140%上昇し10万ドルの大台を突破したこと、機関投資家の参入や次期米大統領ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の支持を得たことと関連している。 「デジタル資産市場が拡大する中で、暗号資産の違法利用がそれに伴って増加するのは典型的な現象だ」と、チェイナリシスのサイバー犯罪研究リーダーであるエリック・ジャーディン(Eric Jardine)氏は述べた。 「これらの犯罪、特に詐欺の拡大を抑制することは、来年の業界にとって間違いなく大きな課題となるだろう」と同氏は付け加えた。 報告書によると、今年盗まれた暗号資産の大部分は、ユーザーの資産へのアクセスを管理する秘密鍵への不正アクセスによるもので、攻撃の大半は中央集権型プラットフォームを標的にしたたものだ。 注目すべきハッキング事件として、5月に発生した日本の暗号資産取引所DMMビットコイン(DMM Bitcoin)から3億500万ドル以上が盗まれた事件や、7月のインドのワジールX(WazirX)から2億3,500万ドルが盗まれた事件などがある。 チェイナリシスによると、北朝鮮に関連する暗号資産のハッキングは前年比で2倍以上に増加し、2024年には過去最高の13億ドルに達したという。 国連によると、暗号資産は北朝鮮が国際制裁を回避する手段となっている。同国はサイバー攻撃や暗号資産の窃盗への関与を一貫して否定している。 ※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。 Losses from crypto hacks jump to $2.2 billion in 2024, report says (Reporting by Medha Singh in Bengaluru; Editing by Arun Koyyur)
大津賀新也(幻冬舎 あたらしい経済)