フルコンタクト空手は改良を重ねてヒーロー誕生を目指す
~TEAM BATTLEは各地域の団結と切磋琢磨を高める
同じく全国10地区選抜チームによる対抗戦・TEAM BATTLEも大きな盛り上がりを見せた。個人戦が主流のフルコンタクト空手において異色な大会形式だが、各地域ごとの激しい意地のぶつかり合いが際立った。 「TEAM BATTLEの企画、運営は30代の若手指導者の方々へ任せています。武道の世界は先輩方への尊敬の念が強く、逆に新しい意見やアイディアを出しにくい部分もあります。新風を吹かせたいのと共に、未来を担う指導者たちに運営面でもスキルアップしてもらいたいからです」 「当初はテスト的に導入した大会形式という面もありましたが想像以上に盛り上がり、各地域の団結にも繋がっています。フルコンタクト空手は基本的に個人同士の戦いです。しかし、そこに仲間やライバルが存在すれば、各自の技術向上速度が高まると思います」 開会式では、TikTokを通じて若者に絶大な人気を誇るアーティスト「エイトMAN」」による同大会オリジナル曲「TEAM BATTLE」が披露された。フルコンタクト空手の新時代を感じさせる多くの試みは、ジュニア世代をはじめとする多くの人の心に刺さったのは間違いない。
~ジュニア世代はフルコンタクト空手界の宝
フルコンタクト空手の競技人口はジュニア年代が非常に多く、女子の人数もかなりいる。習い事と同感覚で始めるジュニアが多いというが、学年が上がるにつれ違う道へ進むようになるという問題を抱える。 「中学、高校、大学と進むにつれて活躍できる場所(=大会)が減少する。インカレを立ち上げたのは、大学生も従来は社会人大会に出場するしか試合場所がなかったから。そういった環境作りからスタートして一歩ずつ進んでいる段階です」 「ジュニア世代は宝です。競技人口が多いジュニア選手たちに競技を長く続けて強くなって欲しい。そのためには目標となる大会が存在することが大事。そして、レベルの高い大人の大会を身近に見て参考にしてもらいたい」 自分たちのカテゴリーで明確な目標となる大会がある。そして同じ会場で戦う年上の強豪選手たちの戦いを見て何かを感じて欲しい。強いモチベーションを持って競技継続することに繋がり、将来は先輩たち同様に尊敬を集める選手になっていくはずだ。