エムバペ人気沸騰! その陰で巨額マネーでトラブル続発 PSGとは裁判沙汰、レアルにも頭痛の種
【レアルでも断トツの高給取りに】 フランスの総選挙前に、エムバペが極右勢力に反対する政治的な発言をしたことも、あまり好意的には受け取られていない。総選挙はちょうどユーロ2024(欧州選手権)の期間中に行なわれたが、エムバペ自身は初戦のオーストリア戦で鼻を骨折し、フランスは準決勝でスペインに敗れた。すると「政治に口を出す前に、もっと自分の仕事に専念しろ」という声も挙がった。仕上げに彼がオリンピックに出なかったことだ。そしてフランスは決勝で再びスペインに負けた。「エムバペのせい」と思っているフランス人も多い。 エムバペを鳴り物入りで迎えたレアル・マドリードにも、頭痛の種は多々ある。 エムバペとレアルが最終的に合意に至るまでには、多くの時間を要した。エムバペはすでにレアルに行くことを決めてはいたが、それでもなかなかそれを公表しなかった。彼を引き留めたいPSGは年俸の額を吊り上げていく。こうした駆け引きは、エムバペがレアルで誰よりも高い報酬をもらうためだろうと思われた。まだレアルで何の実績もないのに、彼は最初から王様でありたかったというわけだ。 エムバペはごねにごねて、最後に勝った。彼はチーム一の高給取りだ。年俸3120万ユーロ(約49億9000万円)。2位のダビド・アラバの2250万ユーロ(約36億円)よりも1000万ユーロ近く高く、3位のヴィニシウス・ジュニオール2080万ユーロ(約33億3000万円)、ジュード・ベリンガム2070万ユーロ(約33億1000万円)、バルベルデ1670万ユーロ(約26億7000万円)を大きく引き離す。 そのほかに、ボーナスと肖像権を合わせるとエムバペの報酬は1億1100万ユーロ(約117億6000万円)になるといわれる。こうした金銭面の駆け引きは主に代理人を務める母のファイザ・ラマリが主導権を握ってやっていることだが、もちろんエムバペ本人が知らないことではない。カルロ・アンチェロッティ監督以下のチーム関係者は、それを決して快く思ってはいない。(つづく)
リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon