豚汁をイメージ? 年間600杯食べるラーメン通イチオシのあっさり系「味噌ラーメン」[FRaU]
食のスペシャリスト&グルメに精通する識者で構成される「FRaU Foodies」が、今イチオシの料理やスイーツなどをお届けします。年間600杯以上のラーメンを食べている森本聡子さんが、肌寒い日に食べたくなる一杯をレコメンド。東京・武蔵野市で人気の味噌ラーメン専門店です。
「スープを飲み干してほしい」 唯一無二の味噌ラーメン
「今回ご紹介するのは、9周年を迎えた武蔵野市で人気の味噌ラーメン店『東京味噌らーめん 鵜(うずら)』です。未だ平日のランチ時でも大繁盛で、14時頃の時間帯を狙っても数分並ぶ大人気店です」 森本さんイチオシは、「味玉みそ」。ラーメン通の間では「迷ったら押せ」という食券機の左上に位置する店のおすすめメニューです。
「極太ピロピロ麺の上には、もやし、ネギ、カリカリごぼうと、激うまのチャーシューが乗っています。すべてのパーツが見事に融合される様は熟練のなせる業。カリカリごぼうが雄大な山のようにそびえ立っていて、何だかアートを鑑賞しているような気持ちにさえさせてくれます」 このアートのような味噌ラーメンはどのように構成されているのか? まずは、スープ。銘柄豚のもち豚ゲンコツを煮出したら、翌日の朝に羅臼昆布と椎茸を入れて沸騰したら引き上げます。その後、鶏・豚の挽き肉、チャーシューの端肉を投入。仕上げにカツオ節やサバ節を加えて完成です。
そのスープを、味噌ダレ・もやし・ニラを短時間炒めた中華鍋に投入します。ジュワ~っという音とともに味噌の香りが店内に広がり、食欲を刺激します。
味噌ダレは東京にある「糀屋三郎右衛門」の2種、「鎌倉味噌醸造」の赤味噌など6種の味噌をブレンド。そこにリンゴと、玉ねぎ、にんにく、生姜の香味野菜を混ぜ合わせています。 そびえ立つごぼうにも秘密あり。青森産を中心とした旬の極太ごぼうを使用。白絞油で抽出した自家製のごぼう油を作り、味噌ラーメンの仕上げにかけているのです。抽出されたごぼうは千切りし、チップにしてトッピング。そうです、それが中央に鎮座するごぼうなのです。 ごぼう油が使われているため、動物系の油は不使用。野菜の甘みを閉じ込めたやさしいスープも相まって、コクがありながらあっさりとしています。店主の近藤龍臣さんがイメージしているのは「豚汁」。味噌が突出せず、それぞれの素材の良さが引き出されたバランスのいい一杯は「スープを飲み干してほしい」という思いによる賜物です。