【巨人】岡本和真、逆転2点タイムリー&大谷級ムーンショット2号で打率&打点2冠…鹿児島で5戦3発
◆JERA セ・リーグ ヤクルト1―3巨人(9日・鹿児島) 巨人が頼れる主将のバットでヤクルトに競り勝ち、勝率を5割に戻した。岡本和真内野手(27)が1点を追う5回に逆転2点打を放つと、7回には貴重な追加点となる2号ソロ。チームの全3得点をたたき出し、打率3割7分8厘、打点9でリーグ2冠となった。5年ぶりの公式戦となった鹿児島では5戦3発と、相性の良さを見せつけた。移動日を挟んで11日に敵地・神宮で第2戦を行う。 【動画】岡本和真、試合前の守備練習で華麗なスローイング 鹿児島の夜空に高々と舞い上がった打球が落ちてこない。豪快なフォロースルーから、岡本和が放物線を描く。長い長い滞空時間を経て、左翼ポール際の最前列で白球が弾んだ。主砲が超高弾道のダメ押しソロで勝利を決定づけた。 「ほんとに風にも助けられてホームランになってくれて良かったです。貴重な追加点になってうれしいです」 衝撃弾だった。1点リードの7回2死。1ボール1ストライクからの3球目、エスパーダの真ん中高め直球をしばき上げた。3月30日の阪神戦(東京D)以来となる2号ソロの滞空時間は6・8秒。ドジャース・大谷が昨季エンゼルスで放った本塁打の最長滞空時間が6・98秒で、世界最高レベルの長距離砲に匹敵するすさまじいアーチを架けた。 1点ビハインドの5回1死二、三塁では先発・小沢から左前へ逆転の2点適時打を放ち、2安打3打点の活躍。チームの全得点を自らのバットでたたき出した。阿部監督は「ナイスバッティング。貴重なホームランになりました」と大絶賛。5試合連続安打で打率は3割7分8厘、打点も9となり、リーグ2冠となった。 “鹿児島男”ぶりを発揮した。鹿児島では通算5試合で17打数6安打、打率3割5分3厘で、3本塁打と相性は抜群。「かなり鹿児島の空気が合ってるんじゃないかと思って、いつもプレーしてます」。直近の19年には左翼席に豪快弾をたたき込んでおり、4年のブランクを経ての“2戦連発”だ。「めったに来られないけど、たくさんみなさんが足を運んでくれてうれしい」。声援を力に変えて、G党に歓喜を届けた。 鹿児島ゆかりの偉人に意外な縁?があった。「僕のおとんが(西郷隆盛に)めっちゃ似ているんです」とニッコリ。西郷隆盛は、明治維新の英雄として、日本に新風を吹かせた男。主将2年目の背番号25も「より自覚を持ってやっていきたい」と、2年連続でBクラスに沈んだチームを新風に乗せ、覇権奪還へと導くべく、リーダーとして奮闘中だ。鹿児島で見せたのは“西郷どん”にも負けない輝きだった。 4番のバットで2連勝し、4日以来の勝率5割復帰を果たした。開幕から打撃好調だが、慢心は全くない。「今の時点の数字を気にしても仕方ないので、一試合一試合頑張っていきたいと思います」。中心でドンと構える岡本和が、チームを押し上げていく。(宮内 孝太) ◆大谷驚異の「6.98秒弾」 エンゼルス時代の昨年4月30日、敵地ブルワーズ戦で右翼越えに最高到達点約49・4メートルの一発を放った。データ解析ツールのスタットキャストが導入された15年以降では最も高く、滞空時間も6・98秒とこの年最長となる「ムーンショット」だった。 ◆堀内恒夫Point ストライクゾーンを打てばこうなるってこと。チームの全打点をたたき出した岡本和。これぞ4番打者の仕事だな。たまにタイミングが合わないボールにも手を出しにいって、しかも小器用だからバットに当たってしまう。打率が上がらない原因はそれなんだよ。タイミングが合わないボールに対しては、バットを止める勇気を持て―。そうすれば四球も増える。岡本和に求めたいのはそれ。
報知新聞社