長野県・まつもと大歌舞伎の演目読み解く 中井美穂さんら解説
長野県松本市深志3のまつもと市民芸術館で7月に開催される信州・まつもと大歌舞伎の演目を分かりやすく解説する「歌舞伎NAVI(ナビ)」が22日、市民芸術館で開かれた。市民芸術館の芸術監督(演劇部門)を務める木ノ下裕一さんと、演劇コラムを数多く手掛けるフリーアナウンサーの中井美穂さんが映像を交えて見どころを紹介した。 演目3作品のうち、新作を除く「正札附根元草摺」と「流星」を取り上げた。擬人化された流れ星が主人公の「流星」は安政6(1859)年に初演され、地震災害や疫病の流行といった当時の世相を反映した作品であることが紹介された。 木ノ下さんと中井さんは冗談を交えながら軽妙な語り口で作品の魅力を語り、会場から笑い声が沸く場面もあった。中井さんは「世相を知ることで理解度が深まる」と話し、古典芸能が専門で「木ノ下歌舞伎」を主宰する木下さんは「江戸時代の人たちの胸が熱くなるポイントを抑えることが重要」と力説していた。 まつもと歌舞伎実行委員会が公演の関連事業として開催し、約100人が聴講した。大歌舞伎のチケットを購入したという松本市野溝木工1の会社員・村田昇司さん(54)は「作品を楽しめるだけの十分な知識を身に付けることができたので、公演が待ち遠しい」と話していた。
市民タイムス