倒産企業の平均寿命は23.1年、2年連続で縮む 倒産企業の構成比 「新興」企業が初めて30%台に
平均寿命の最長は製造業の36.3年
産業別の平均寿命は、10産業のうち、製造業、卸売業、小売業、金融・保険業の4産業で延びた。一方、平均寿命が短縮したのは農・林・漁・鉱業、建設業、不動産業、運輸業、情報通信業、サービス業他の6産業だった。 平均寿命では、最長が製造業の36.3年(前年35.7年)で、唯一、30年を超えた。次いで、卸売業29.5年(同27.9年)、小売業24.5年(同23.9年)、運輸業24.4年(同26.2年)、農・林・漁・鉱業21.9年(同23.1年)の順。 平均寿命の最短は、金融・保険業の15.0年(同12.5年)だった。 政府は、コロナ禍で断続的に支援策を打ち出し、企業倒産は歴史的な低水準となった。だが、コロナ禍も4年を経過し、支援策は順次、縮小・終了を迎えている。支援効果が希薄化するに伴い、業績回復が遅れた企業は市場からの撤退、廃業や倒産が現実味を帯びている。 さらに、円安やロシアのウクライナ侵攻などで、物価高騰が長引き、人手不足も深刻化している。全体的なコストアップを吸収できない企業は、物価高が収益面に大きな負担となっている。そうした事態への耐性がもろい「新興」企業が倒産件数を押し上げ、結果的に平均寿命の短縮につながった。
産業別 製造業は老舗企業が63.3%
産業別では、「老舗」企業の構成比は10産業のうち、製造業、卸売業、金融・保険業の3産業で上昇。一方、農・林・漁・鉱業、建設業、不動産業、運輸業、情報通信業、サービス業他の6産業で減少、小売業は前年と同水準だった。 「老舗」企業の構成比の最高は、製造業の63.3%(前年62.7%)で、3年連続で60.0%を超えた。以下、卸売業45.0%(同42.9%)、運輸業34.1%(同37.8%)、小売業33.1%(同33.1%)、建設業29.9%(同30.9%)と続く。 2023年の製造業の社長年齢は、60代以上が6割(60.9%)を超え高齢化が目立っている。後継者不在や事業承継に加え、資材価格の高騰や人件費の上昇などコスト負担の増加も深刻さを増している。 産業別で、業歴10年未満の「新興」企業の構成比が最も高かったのは、サービス業他の41.4%(前年40.7%)だった。飲食業など対面サービス業は、政府、自治体の積極的な創業支援の恩恵を受ける一方で、コロナ禍前の業況に戻らず、業歴の浅い企業の息切れが目立った。