新田真剣佑、誰かを目標にするよりも、「誰かの目標になりたい」
撮影現場での若手、ベテラン俳優から得た刺激
『オーバードライブ』のキャストには若手からベテランまでが集結した。共演者たちからはどんな影響や刺激を受けたのか。 「北村匠海はとくに同世代の中では、お芝居が大好きな役者です。ベテランの吉田鋼太郎さんは本当に魅力的な役者さんで現場でもいろいろなお話をさせていただきました。僕たちの世代とは違った上の世代の方が思っていること、どう考えているかなど、現場で見ていてもすごく刺激的でした。北村は映画の中ではライバル同士ですが、撮影以外だと本当に仲がいいんです。仲がいいからこそ、バチバチのシーンができて、言葉がなくても通じ合えている部分があるんじゃないかと思います」 兄・篤洋を演じた東出昌大はどうか? 「兄貴は、兄弟なので、映像にあるような、それこそ言葉のいらないコミュニケーションがあると思っていて。カメラの裏側ではしっかり話し合って演技をしていました。北九州では1カ月間一緒に生活し、本当に兄弟みたいに過ごしていました。こういう環境は役者としてはすごくありがたかったですし、幸せでした」 また、絶対に失敗できない状況での緊張感漂う撮影にも初めて挑んだ。 「夕日狙いで撮らなくてはいけないシーンがありました。リハーサルを2、3回して、チャンスを逃さず、NGを絶対に出せないような状況での撮影はというのは、僕の中では新しい挑戦でした」
オフはもらえたときに、何をするか考えたい
役者としての新たな可能性を引き出した『オーバードライブ』は、新田にとっては特に思い入れの強い作品となったようだ。 「まず、台本を読んだ段階で、いまの日本にあまりないような作品。いいなって思いました。出来上がった映像を観て、その感動が上書きされていって、テンションが上がりました。21歳でこんな作品に出合えて本当に幸せだと思っています」 人生のすべてを役者という仕事に捧げた新田にオフはない。 「オフはもらえたときに、何するか考えたいです。(仕事がいただけるのは)ありがたいです」 時間さえあれば、台本を読んでいるというが、日常生活からのインプットも心がけているという。 「街を歩いている人や何気なく過ごしている人の行動を見ているだけでも勉強になります。身にならないこともあって、だた見ているだけになるかもしれないですけれど。『いざ、やれ』って言われたときに、何となくやるのでは偽りのものになりますから」