月城かなと「確実に退団前と同じではない」 宝塚卒業で大きく変わった日常
15年余りを過ごした宝塚歌劇団での日々に終止符を打ってから約4カ月。月組トップを務めた月城かなとに、退団後に訪れている変化は──。AERA 2024年11月18日号より。 【写真】月城かなとさんの別ショットはこちら * * * 「私という人間はどんどん変わっていくはずです。これからはみなさんに、その過程を楽しんでもらうパートになればいいと思います。別人ではないものの、確実に退団前と同じではない。早い時期にコンサートをすることで、そんな私を観てもらいたいと思いました」 月組のトップスターだった月城かなとさんが、宝塚を退団したのは今年7月のこと。退団後、約4カ月というタイミングで初のコンサートに挑む理由を聞かれ、ご本人はそんなふうに答えている。ここは、そのコンサートを発表するオンライン取材会の現場。画面のむこうの彼女を、クールな正統派の男役として活躍していた宝塚時代とは違う、柔らかい空気が包んでいた。 ■まとう空気のギャップ ところが数時間後、オンラインを飛び出して写真撮影の現場に立った彼女は、まるで別人のよう。やさしい空気の代わりに、その全身から発せられたのが、強烈なオーラだ。舞台の上で磨きあげたこのオーラで、多くのファンを魅了してきたのだろう。宝塚で活躍したおよそ15年間の軌跡が、垣間見えた気がした。 そんな彼女の日常も、退団で大きく変わったという。 「お稽古場や公演ができる劇場があって、先生がいて、楽しみにしてくれるお客様が毎回いる。そんな環境が整っていることが、どんなにありがたいことだったか……。今になってなおさら感じたことです」 一方、今まではひとつの公演が終わったら、すぐに次の公演の準備が始まるという日々。時間に追われずに外出したり、誰かに会ったりという余裕は、ほとんどなかったそう。 「でも今は自分のやりたいことができている。これもまたありがたいことですよね。もうひとつ、時間と一緒に自分の体も自分の元に返ってきたという不思議な感覚も覚えるようになりました」