漫才師にベストな環境を…2回目迎える『THE SECOND』の矜持【チーフP&総合演出インタビュー】
――有田さんの肩書である「ハイパーゼネラルマネジャー」という名称はどうやって決まりましたか。 石川 有田さんと打ち合わせをして、あうんの呼吸で決まったんじゃないでしょうか(笑)。3回くらいディスカッションしたのですが、有田さんが「ハイパーゼネラルマネージャー」という肩書を、本心ではどう思ってらっしゃるのか…、それは生放送でのお楽しみで。私も実際に有田さんがどう受け取られているのか、全くわかりませんので(笑)。 ――東京ダイナマイトのハチミツ二郎さんのnoteでは、選考会に出場するにあたって、舞台を整えてくれて感謝しているという旨の記載がありました。その後、最終的に、この大会に出ることで漫才師としてひとつの区切りをつけられましたが、そのあたりはどのように考えていらっしゃいますか? 日置 そういう事態を想定していなかったのですが、あの(「開幕戦ノックアウトステージ32→16)で披露した)漫才が、東京ダイナマイトさんにとってひと区切りだったということ、その舞台として『THE SECOND』をお2人が選んでくださったことに関しては、自分の中でもすごく感慨深いというか、より身が引き締まる思いがしました。昔、島田紳助さんが「M-1は芸人をあきらめさせる大会でもあるんだ」ということをおっしゃってましたけど、この大会はできれば「あきらめる」ではなく、より長く漫才を続けてもらうための大会にしたいと思っています。そういう意味では、いろんな人の人生やストーリーが描かれる大会ともいえるわけで、一旦ここで区切りをつけるという東京ダイナマイトさんの決断も、またひとつの物語なのかなと、改めて思いました。 やっぱり出ていただけるからには、ベストな状態でやっていただきたいなというのは、石川さんとも話していました。そういう中で、車椅子で来る方がいるならば、われわれはスロープも作りますし、トークの時に立つのが大変なのであれば、椅子を用意して…と、作り手が演者に合わせていくっていうのが、『THE SECOND』のスタイルだと思っています。 ――ほかの賞レースで名物になっている敗者復活をやらない理由について。 日置 システム上できないんですよね。グランプリファイナルで1組分空けるとなると、8ブロックのうち、1ブロック減らすということになりますよね。1ブロック減らすということは、開幕戦の出場者が32組から28組へと大幅に減ってしまう。それに、『M-1』と違って一応毎年エントリーできて、卒業というものがないので、「今年はくじ運が悪かったけど、来年また勝負しよう」という風に臨んでいただきたい、そういった理由から敗者復活は設けていない、という考え方です。 ――音楽もかなり注目された部分であると思いますが、今年もその辺りはこだわって? 日置 基本は前回と変えないつもりです。去年と同じ出囃子、同じテーマ曲でいこうというのが決まっていますので、これが定番化していくのがベストだと思っています。 ――THE YELLOW MONKEY「バラ色の日々」を選曲された理由? 日置 歌詞が、“セカンドチャンスに懸ける漫才師の大会”という部分にすごくマッチしているなというのが一番でした。聴く人によって、そのストーリーがちょっとずつ違うように聞こえるというところと、あとはすごくメロウな部分とアップテンポな部分が2つ入っているので、どこでかけても気持ちいい、というのが選んだ理由です。