漫才師にベストな環境を…2回目迎える『THE SECOND』の矜持【チーフP&総合演出インタビュー】
――第2回をやるというのは、どれくらい前から決まっていた? 日置 僕らの知らないところで、港(浩一)さんが社長会見で「来年もやります」とおっしゃっていて、来年もやるんだと(笑)。 石川 港さんは「決定じゃないけど宣言です」と(笑)。 日置 なので、やるんだろうなと思ってましたが、正直言うと、どういう形になるかは、なかなか着地できなかったんですよ、放送日も、放送時間も。ですから去年と同じ4時間10分という尺に落ち着いたというのが、僕としてはすごくうれしかったです。結局、この放送尺に落ち着いたのが3月くらいでしたかね。 石川 アサヒビールさんに冠スポンサーについていただけることになり、それによって、われわれが希望していた4時間10分という放送尺に確定しました。そこでスタッフの士気は一気に上がりました。本当に大感謝ですが。 日置 選考会をやっている頃は、放送時間が何時間になるかも決まっていませんでしたからね。 ――去年と比べて変えたところ? 日置 すごく細かいことになりますが、去年やったものの完璧版を作りましょうということを、全スタッフに最初に言いました。細かいところを直して100点になるのが、今回だと。去年は、思っていた以上に結果としていい感じでしたが、とはいえ、各セクション、あそこのカメラはもっとああしたかったとか、CGのスタッフが「あそこはもっとこだわりたかった」とか、そういうものをみんなとディスカッションして、ブラッシュアップしていきました去年のひな形はできているので、そこを、いかに100点にしていくか…という作業に力を注ぎました。 ――去年のノックアウトステージの審査は、1組の漫才を見終わるごとに採点する方式でしたが、今年は先攻・後攻2組の漫才が終わってから採点する、という形に変わりました。 日置 去年、かなりの確率で先攻が負けることが多かったんですね。それはずっと僕らの中でも気になっていて。結局、後攻有利の大会・システムじゃないかとなってしまったら、勝者の人にも申し訳ないなと。そこで、2組が終わってから採点する方式に変えたわけですけど、先攻の勝率が上がったというプラスの部分もありつつ、接戦は減ったかなというのはありますね。ただ、平均点は間違いなく上がりましたし、様子見で(3点満点中の)2点を押す人が減ったという印象があります。 もちろん僕らとしては、接戦が毎回ある方がうれしいんですけど、先攻が勝ちやすくなったという意味では、出てる漫才師さんにとってはプラスなんじゃないかなという風に僕は捉えています。 石川 また、改善という意味では、1組2000円のエントリーフィーを、今回から廃止しました。去年の打ち上げの時に、ファイナリストの皆さんから「自分たちが2000円払うっていうのはどうなんだ」と詰め寄られまして(笑)。最後のあいさつで「じゃあ、エントリーフィーをなくしましょう!」と僕が皆さんに宣言してしまったんです。確定ではなかったのですが、たしかにベテランの方に2000円を払ってもらうのも失礼な話だなと気になっていましたので。そのかいあってか、今回、ザ・ぼんちさんのような方にも出ていただけたので、エントリーフィーをなくしたことで、裾野が広がったのかなと。