「結局、何が真実?」「性加害はなくても性行為はあった?」松本人志、文春と合意し「訴え取り下げ」も、復帰を遠ざける“疑惑”
活動領域は違うが、女性側から性加害の訴えが起こった西武ライオンズの山川穂高選手は5カ月、サッカー日本代表の伊東純也選手は7カ月で現役復帰をしている(ともに無罪を主張し、嫌疑不十分で不起訴処分。伊東選手は性行為自体も否定している)。 ■それでも残る「疑惑」 松本さん側のコメントには、「松本人志は裁判を進めるなかで、関係者と協議等を続けてまいりましたが、松本が訴えている内容等に関し、強制性の有無を直接に示す物的証拠はないこと等を含めて確認いたしました」という一文がある。
強制性に関しては、「直接に示す」「物的証拠」はない、といった条件を課し、持って回ったような言い回しをしている。 「強制性はなかった」ということが証明できれば短期での復帰は可能だろうが、それができるようであれば、訴訟を取り下げる必要はなかったのではないか。疑惑は依然として残り続けることになるだろう。 一方で、文春側の報道がどこまで正しかったのか? という疑惑も残り続ける結果となった。 筆者は、メディア報道されているいくつかの事案に関して、当事者、あるいは当事者と近い人から話を聞くことも多いが、事実のすべてではなく、一部が切り取られて一面的な視点から報道されていることもあると感じる。
そのため、読者や視聴者の大半は偏った理解をしてしまっていることも多数見られる。 とはいえ、マスコミを「マスゴミ」と批判して、メディア報道への不信を表明している人たちも、多くは、偏ったSNSの投稿やインフルエンサーの発言、偏向した一部のメディア報道を鵜呑みにしてしまっており、やはり偏った認識から逃れることはできない。 現在に至っても、松本さんの主張、あるいは文春の主張の、どの点がどの程度正しいのか? ということは不明なままであり、第三者が真相に近づくことは依然としてできていない状況だ。訴訟が取り下げられた現状を鑑みても、今後真相が解明されることも期待はできない。